石上神宮の蓮。
内山永久寺跡から山の辺の道を石上神宮へ向かって歩いていると、石上神宮の手前の布留口池(ふるのくちいけ)で蓮の花が咲いていました。蓮の名所と言ってもいいぐらいの株の多さです。
布留口池の蓮。
随分大きな蓮ですね。蓮にも様々な品種が見られますが、こちらの蓮の名前はペリーズジャイアントサンバーストと言います。8月から9月に掛けて花期を迎える品種で、日本の「白万々」とアメリカ原産の「黄花蓮(キバナバス)」との交配により、1987年に誕生しています。比較的新しい品種のようです。
望遠鏡がおすすめ!蓮池に浮かぶ心象風景
石上神宮の蓮を楽しむには、望遠鏡を持参されることをおすすめします。
藤原宮跡の蓮などは至近距離で観賞できますが、蓮池に浮かぶ石上の場合は距離が遠いのが難点です。引いた場所から全体を眺めるには好都合ですが、マクロレンズで撮影したい方々には不向きかもしれません。蓮池の畔近くに開花していれば、なんとか撮影出来るかもしれません。
石上神宮の杜から抜けた所に布留口池があります。
この辺りは、以前からビオトープが試みられている場所でもあります。
布留口池からさらに北へ進むと、石上神宮の境内へと入って行きます。
鏡池の畔のベンチの下で鶏が寛いでいました。
私が訪れたのは8月20日過ぎでしたが、まだまだ残暑も厳しく、石上神宮の人気者である鶏たちもさすがにまいっているようで、ベンチの下の陰で涼んでいるところでした。
重要文化財の石上神宮楼門。
いつ見ても風格を感じさせる立派な門です。
楼門の扉のところに、蓮の開花情報が案内されていました。お恥ずかしながら、この時に初めて石上神宮に咲く蓮の存在を知った次第です。
薄い黄色に染まる石上神宮のペリーズジャイアントサンバースト。
とても強い蓮として知られ、花上がりも上々です。水面に咲く睡蓮には無い豪快さが伝わってきます。
蓮の名前であるペリーズジャイアントサンバーストが案内されています。
ここは山の辺の道のハイキングロードでもありますので、数多くのハイカーたちが石上神宮の蓮を目にしているのではないでしょうか。自然の池の中ということもあり、残念ながら間近に蓮の花を観賞することはできませんが、望遠レンズを使えば綺麗な蓮の花を撮影することも可能です。
蓮のイメージは日本人なら誰しも、盂蘭盆会に繋がるのではないでしょうか。
夏の仏事を連想させる蓮は、日本人の心そのものです。
蓮の葉が池の畔に落ちていました。
真夏の山の辺の道は敬遠されがちではありますが、春や秋のハイキングシーズンには見られない蓮の花を観賞することができ、なんだか得したような気分の一日でした。