天理市杣之内町森にお椀型のかわいい古墳があります。
神鶏御座す石上神宮へ向かう途中、道路の右側にお椀を伏せたような墳丘が見えてきます。保昌塚(ほしょうづか)古墳という名前の円墳です。北東方向には綺麗な石室で知られる峯塚古墳があるエリアです。道路を挟んで反対側には天理高校の北池グラウンドが広がっています。
保昌塚古墳。
墳丘上にはススキが生えていますね。死者を葬る古墳ということで、枯れた花ともどこかマッチしています。
周辺地図を見て墳丘見学へ出発
今回の目的は保昌塚古墳ではありませんでした。
保昌塚と同じく円墳で、精緻な切石が美しい峯塚古墳を見学するために訪れました。残念ながら峯塚古墳の横穴式石室には辿り着けなかったのですが、その帰りに立ち寄ってみることに致しました。
保昌塚古墳の周辺地図。
峯塚古墳の案内板を拝借しています。
赤く「現在地」と示されている所は、峯塚古墳へと入って行く入口付近です。そこから道路に沿って少し南下すると、保昌塚古墳へとアクセスします。保昌塚古墳から西に目をやると、前方後方墳の西山古墳や、巨大石室で度肝を抜く円墳の塚穴山古墳が案内されています。南方には西天井山古墳、東天井山古墳と書かれていますね。聞き慣れない古墳の名前ですが、同じく杣之内古墳群に属する古墳ではないかと思われます。
峯塚古墳の案内板から南へ向かいます。
前方に見えているのが保昌塚古墳ですね。道路沿いの木に、わずかばかりの紅葉が残っていました。
すぐ横には畑があります。
庶民の暮らしのすぐ近くに佇んでいることが分かります。
墳丘のススキがいい雰囲気を醸していますね。
径16.8mの円墳とされますが、元は25mほどあったのではないかと推測されます。周濠の有無は不明のままです。
石上神宮のアクセス道にある古墳です。
度々通っていた道ではありますが、改めてその存在を知らされた次第です。奈良県内では別に珍しいことではありませんが、名も知れぬ古墳や神社が至る所に存在しています。
道路の反対側に回り込むと、保昌塚古墳の背景に天理高校のグラウンドが入ってきます。
ボールが飛び出すことのないよう、高い防御網が張られています。
それにしても、何度見ても形がイイですね。
絵に描いたようにキュートな古墳です。石室が見学できるわけではありませんが、古墳の宝庫ここにあり!といった感じがします。