お寺の境内に鎮守社が残るのは珍しいそうです。
コスモス寺として名高い般若寺本堂の北東方向に、かなり寂びれた感じの社殿が建っていました。
般若寺の鎮守社。
覆い屋根に囲われ、今にも崩れ落ちそうです。
何とも歴史を感じさせる建物ですが、桃山時代のものと伝わります。
般若寺の白鳳阿弥陀如来を特別拝観
般若寺の秘仏公開へ行って参りました。『白鳳阿弥陀如来と胎内仏三尊』と題する特別公開で、境内の片隅にある宝蔵堂に於いて般若寺の秘宝が公開されています。毎年春と秋に催される企画展示のようです。特別公開の冊子とコスモス散華。宝蔵堂で頂いたコスモス...
神仏習合の名残を伝える鎮守社
鎮守社には伊勢、春日、八幡の三神が合祀されています。
日本の神社の中でも度々目にするメジャー級の神様ですね。
鎮守社とお寺は別物とする考えからでしょう。明治初期の神仏分離令により廃仏毀釈の嵐が渦巻き、お寺から次々と鎮守社を切り離していくことになります。そんな中でかろうじて残っているのが般若寺の鎮守社です。
十三重石宝塔の向こうに本堂を望みます。
辺り一面にコスモスが乱舞し、見事な光景が広がります。
石仏の周りにもコスモスが咲いています。
立て膝に頬杖をする格好は、如意輪観音でしょうか。
境内片隅の鎮守社。
般若寺詣での観光客も、ここまで足を運ぶ人は少ないでしょう。
鎮守社の案内板。
伊勢、春日、八幡の三社を合祀する。この三明神は真言律宗では「伊勢神道」「三輪神道」に基づき伊勢は金胎両部の大日如来の垂迹神、春日は法相の垂迹神、そして八幡は仏法の守護神であり、仏菩薩と同体とみなして篤く信仰を勧めてきました。
明治の「神仏分離令」により不幸にも鎮守社が切り離された寺が多い中にあって、当山では幸いにも寺に残りました。
般若寺楼門。
京都へと通じる奈良坂沿いに、国宝の楼門が建ちます。
連綿と続く歴史の中で、人々の信仰の跡を見たような気がします。