新鮮な活け伊勢海老が入荷しました。
秋から冬にかけて美味しい伊勢海老!日本料理において最も高価な食材の一つでしょう。
伊勢海老は生きたまま旅館に届きます。おかくずに包まれて配達されることの多い伊勢海老ですが、今回は常時酸素を供給された状態で、海水入り発泡スチロールと共に届きました。
伊勢海老の舟盛り。
寒ブリ、本鮪、イクラを周囲に盛り込みます。
羽根扇に切った胡瓜をはじめ、唐草大根、人参わさび台、紅心大根で開かせた花や蝶々を散らします。
立派な姿を活かす姿造り!青い血液の成分ヘモシアニン
伊勢海老の価値は姿そのものにあると言ってもいいでしょう。
身を刳り抜いた伊勢海老を額縁に収め、玄関口に飾る家もあるぐらいです。姿形を生かす具足煮や鬼殻焼きが人気なのも頷けますね。
伊勢海老の腹の薄皮も盛り付けてみました。
立春も過ぎて春本番が待ち遠しくなりました。少し気は早いですが、赤い大根で蝶を演出します。
俎板の上で捌く際、元気な伊勢海老は第二触覚を反り返らせながらギィ~ギィ~と鳴き出しました。命を頂く際はスパッと思い切りよくいきます。伊勢海老はとても生命力が強く、頭と胴が離れ離れになってもしばらく動いていました。
牛肉希少部位のミスジ。
肩から腕にかけた内側の肉で、とても柔らかい肉質です。
今回はアボカドグラタンにしてみました。
殻の香ばしさを身に移した鬼殻焼きという料理がありますが、海老や蟹など甲殻類の殻は得も言われぬ美味しさです。敢えてホワイトソースは使っていませんが、伊勢海老の細い脚から身をほじくり出し、炒めた玉葱や味噌マヨネーズと合わせています。
この時期ならでは、寒ブリも最高に脂が乗っていました。
同じ甲殻類でも蟹は脚の身がメインだったりしますが、伊勢海老は頭から胴、尾にかけてが中心です。イセエビの脚の身はほんのわずかです。とは言え、細い脚にもしっかりと身は詰まっています。上手に関節を折りながら頂きましょう。
伊勢海老を捌くと、青い血液がゼリー状に固まっていく場面に出くわします。
そう、イセエビの血液は青いのです。
人をはじめ、哺乳類の血液は赤いですよね。血液中のヘモグロビンが赤いから赤いのですが、ヘモグロビンは酸素と結合することで酸素を全身に運搬しています。一方、伊勢海老にとってヘモグロビンの代わりに酸素を運搬する役割を担っているのがヘモシアニンなのです。
ヘモシアニンは通常無色透明ですが、酸素と結合すると青色になります。
ヘモシアニンという色素蛋白質。
婚礼料理によく使う鮑(あわび)なども、捌いていると青い色素が流れ出します。どうやらアワビの血液も、ヘモグロビンではなくヘモシアニンのようです。
伊勢海老の姿造りは、伊勢海老会席料理プランでお出ししています。
皆様からのご予約を心よりお待ち申し上げております。