掘り出し物発掘!準備が物を言うセレンディピティ

偶然の産物。

ひょんなことから出会った幸運に助けられ、その後の人生が好転していくことがあります。ノーベル賞受賞者の話題でよく耳にするセレンディピティは、決して運に頼り切ったものではないはずです。そこにはたゆまぬ努力と、積み重ねた準備がうかがえます。

等彌神社の紅葉

予期せぬ幸運に巡り合っても、そのことに気付かなければそれまでです。

常日頃からアンテナを張り、来たるべき時に備える。「構えのある心」がセレンディピティには欠かせません。当てにしていなかったものを偶然に見つけ出す能力は、普段から磨いておく必要がありそうです。

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観光や料理におけるセレンディピティ

セレンディピティ(serendipity)とは、掘り出し上手のことを意味します。

思わぬ発見をする偶察力や、幸運な偶然を手に入れる力のことで、今まで見向きもされなかった価値に気付き成果につなげていきます。何かの徴候に気付き、それをカタチにしていく。到達する過程に若干の違いはありますが、継ぎ接ぎ(つぎはぎ)をつなぎ合わせ、新たな価値を生み出すという意味ではブリコラージュにも似ています。

ブリコラージュ!寄せ集めの再編作業
今あるものを活かしていく。 観光業界などでもよく言われることです。新たな箱モノを造るのではなく、既にある観光資源を上手く組合せながら再編成していく。新たな価値を生み出すのに、潤沢な資金は必要ないのかもしれません。 大正楼客室の額縁絵画。 ブ...

等彌神社の土偶

セレンディピティはまた、明敏な洞察力とも言えるでしょう。

機敏な嗅覚を持ち、お宝を探し当てる。

各神社に祀られる神様の足跡を辿ると、意外なルーツに行き着くことがあります。

時代を越え、空間を隔てながら綿々と語り継がれる神様や仏様。そのことに気付くには、準備が物を言います。アンテナに引っ掛かり、自分の中で何かが生み出される瞬間には達成感があります。決してラッキーな偶然では片付けられない、そこへ至る ”構え” が大切です。

安倍文殊院の浮御堂

料理の世界においてもセレンディピティは重要です。

それは往々にして失敗から生まれると言ってもいいでしょう。

毎回同じ手法で料理していると、安定感はありますが上達することはありません。そこで、たまにレシピに遊びを入れるわけですが、失敗することがよくあります。でも、その失敗の中にこそヒントが隠されていて、もう一度チャレンジすると新たなレシピが生まれます。

修正を加える際、物を言うのが以前の失敗だったり、ある種の勘だったりします。

そうやって料理のコツを覚えていくんだと思います。コツの語源は「骨(こつ)」であり、物事の本質を意味します。勘所というのはなかなか言葉では言い表しにくいところがあります。もっと言えば、人の数ほどコツはあると言ってもいいかもしれません。どのコツが正しいか間違っているかではなく、人それぞれに感じる勘所は違います。

真理は一つではなく、真砂の数ほど存在するのでしょう。

掘り出しものを発掘する能力は、普段からの備えが物を言います。準備が全てとは言え、毎日コツコツと積み上げていく作業は大変ですよね。まぁ無理をせず、少しずつ少しずつ・・・三歩進んで二歩下がるペースで参りましょう。

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