働き方改革で注目を集めるワーケーション。
ワーク(work)とバケーション(vacation)を合わせた造語ですが、あちこちで耳にするようになりました。仕事と旅行の線引きが曖昧なところもあり、賛否両論が渦巻いています。今が過渡期と考えれば、リモートワークの可能性が垣間見えます。
玄賓庵の紫陽花。
コロナ禍の中、遠隔勤務や遠隔学習を体験した人も多いでしょう。
有給休暇の取得率が低い日本ですが、これを機にリモートワークの機運が高まっていくかもしれません。そこで、宿泊施設として対応すべき点は何なのか、少し考えてみました。
安全性の高いWi-Fi環境整備!家族の受入態勢とフィールドワーク
まず何よりも重要なのがWi-Fi環境の整備でしょう。
かねてから無料フリーWi-Fiを館内に導入していますが、本格的な仕事となるとより安全性の高いWi-Fi環境が求められます。フリーWi-Fiで十分という考え方もありますが、やはり安全性の担保が必要になってくるでしょう。オンライン会議システムのZOOMなどをストレスなく使える程度のものが求められます。
現段階では一部の客室のみではありますが、同軸回線を使ったWi-Fi整備を思案中です。
三輪山と万葉歌碑。
遠隔地とのやり取りにはコミュニケーションコストの改善が必須です。遠くに居ながら、出来るだけ不便を感じないように環境を整備する必要があります。既に一部の地域では、レンタルオフィスやコワーキングスペースの有効利用が始まっています。
一つの宿泊施設がコワーキングスペースを整えるのは容易ではありません。その辺りは自治体との協力が欠かせないでしょう。
談山神社の紫陽花。
今後は家族旅行とワーケーションを組合せた旅行スタイルも定着していくかもしれません。
父親が仕事をしている間、母親と子供が観光を楽しむ。あるいは子供だけが楽しめるアクティビティに人気が集まるかもしれません。お母さんは全てを忘れて羽を伸ばす。皆思い思いの時間を過ごし、夕食を共にして寝床に就く・・・。
奈良県は歴史の宝庫です。
神社やお寺、古墳に興味のある人なら実地でのフィールドワークも楽しめるはずです。それらを手助けする受け入れ側の準備も求められることでしょう。
基本的にワーケーションは長期滞在になります。1泊2日の旅行ではなく、しばらく同じ場所に滞在することにより、地元の人とのつながりも生まれます。過疎地域などでは関係人口の増加が期待されます。
旅先での人との交流は、何ものにも代え難い観光資源だと思います。方言を覚えるのもいいでしょう。その土地に根付く歴史や文化を体験し、机上では得られない感動に浸ります。
一時期、「暮らすように旅をする」スタイルが流行りました。
ワーケーションも滞在型観光の範疇に入りますから、買い物や散歩などもキーワードになっていくのではないでしょうか。