先日、シンガポールのお客様からお礼の言葉を頂戴しました。
その中に、興味深い英単語があったのでご紹介しておきます。まずは、原文の一部抜粋から・・・ I love the location, it is tucked away in a quaint quiet town. 今回は、この quaint に着目してみました。
桜井市にあるホケノ山古墳の墳丘。
quaint とは、古風で趣のあるという意味を表します。
形容詞として使われる単語で、類語には strange が挙げられます。strange といえば、奇妙な・風変わりなといった意味ですが、そこから派生して quaint には深みのある味わいが込められています。ちょっと角度を変えれば奇妙なんだけれども、そこがまた味があっていい・・・そんな感じでしょうか。
奈良観光のキーワード
奈良は歴史ある街です。
鎌倉や京都よりも歴史が古く、今もなおその遺産が受け継がれています。毎年数多くの外国人旅行客が押し寄せる人気の観光エリアでもあります。
昨今多く見られる古民家再生なども、現代から見れば一風変わった歴史風情にスポットが当たっているのでしょう。都会からの移住を促進する田舎暮らしなども、古き良き日本への原点回帰ではないでしょうか。そんな時であればこそ、奈良県民はもっと quaint な風情に自信を持っていいのではないでしょうか。
日本最古の神社の一つとされる大神神社。本殿が無く、御神体そのものが三輪山です。
It is tucked away in a quaint quiet town.
tuck away には、「しまい込む・隠す」等の意味があります。
古風で趣のある静かな街にしまい込まれている・・・私が学生時代に履いていた制服のズボンにはタックが入っていました。あの ”タック” も tuck away の ”tuck” も同じ単語です。衣服の袖や裾をまくり上げた部分をタックと言いますが、まくり上げてそこに押し込んだり、詰め込んだりするイメージでしょうか。
ちなみに、折り畳み式テーブルのことを tuck-away table と表現します。
古風で趣のある三輪という町に、旅の魅力がギュッと tuck away されている。三輪に住む者としては、最上級の褒め言葉を頂きました。大変恐縮で、同時にとても嬉しく思います。
檜原神社の三ツ鳥居。
quaint な空気が流れる三輪。
英語で表現してみると、また違った面が見えてきます。
外国人観光客とのやり取りでは、微妙なニュアンスが伝わりにくいものです。でも、この quaint という言葉を覚えておけば、様々な場面で応用が利きそうですね。見慣れない古風なものに魅かれる気持ちは、洋の東西を問わないようです。