新鮮なウボゼの刺身。
デジカメ写真の整理をしていると、10月半ば頃に入荷していたウボゼ(イボダイ)の写真が出てきました。そう言えばまだウボゼの記事をアップしていないことに気付き、ここにご紹介することに致します。
新鮮なウボゼが入荷しました。
全国的には疣鯛(いぼだい)という名前で通っていますが、関西の市場では「ウボゼ」として知られます。
黒い斑紋と粘液が特徴のウボゼ
ウボゼはスズキ目イボダイ科に属する魚で、高級干物として人気があります。
左手前に盛っているのがウボゼの刺身です。
干物として流通するぐらいですから、新鮮なお刺身料理としては大変珍しいのではないでしょうか。もちっとした感じの白身で、あっさりとしていて美味しかったです。
ウボゼは体表から粘液を出すことで知られ、そのネバネバした粘液が鮮度のバロメーターでもあります。
鰓ぶたの後方上部に黒い斑紋が見えますね。
この黒い斑紋がお灸をした痕に見えることから、疣生(いぼお)になり、後にイボダイと呼ばれるようになりました。以前に街のスーパーで、「シズ」という名前で販売されていたことを思い出します。様々な名前を持つことからも、この魚が愛されてきた歴史がうかがえます。
うぼぜの丸い鱗。
頭部にかけて丸い形が印象に残るウボゼですが、その鱗も丸いんですね。
実にかわいらしい鱗です。
ウボゼの丸い吻。
どこかあどけない、幼児のぽかんと開いた口にも似ています。
そろそろ奈良名産の宇陀金牛蒡も出回り始めています。
表面に付いているキララを含んだ金粉が宇陀ごぼうの証です。縁起の良い金粉を身にまとった宇陀ごぼうは、お正月用食材としても人気があります。
ウボゼの尾びれ。
綺麗に二手に分かれていますね。
刺身を引いてバットに並べてみました。
体表の銀白色が皮を引いた後にも少しだけ残っています。さすがに私も、ウボゼをお刺身にするのは初体験でした。今回ウボゼの刺身を食べてみて分かったのですが、旬を迎えた新鮮なウボゼはお造りにするのが一番ですね。
先日訪れた興福寺南円堂。
右近の橘が見事に実を付けていました。
JR奈良駅から東へ伸びる三条通り沿いのお店に、「幸運の白鹿だるま」という名前の達磨がディスプレイされていました。どうやら達磨と鹿が合体した縁起物のようですね。
ウボゼの皮膚はとても薄く、中の筋肉が盛り上がって見えます。
体のラインがくっきりと浮かび上がっていて、他の魚には見られない特徴でしょう。
夏から秋にかけて旬を迎えると言われるウボゼ。
11月~12月頃になると、なかなか見られなくなるそうです。写真整理で見つかったウボゼの雄姿を、締め切りギリギリぐらいでお見せすることができたのではないでしょうか。