ニベの焼霜造り!耳石を持つ魚

体長50cm近くのニベが入荷しました。

スズキ目ニベ科に属し、浮袋も食用になる魚です。取り付く島もないことを「にべもない」と言いますが、その語源にもなっています。。

ニベの焼霜造り

ニベの焼霜造り。

ニベの皮には独特の風味があります。焼霜造りにして正解でした!

ニベの浮袋は粘り気が強く、接着剤の原料として使われていたようです。ニベの浮袋を「鰾(へ)」と呼んでいました。ニベの「に」は煮ることを意味しますから、そのまま名前の由来になっています。

浮き袋を煮て、接着剤の「膠(にかわ)」を採取していたとは・・・その粘着力の強さから、ニベは他人との親密関係を意味するようになりました。にべもないとは、言い得て妙ですね。

ニベ科のコイチ!黄姑魚
ニベ科ニベ属のコイチが入荷しました。 黄色い鰭(ひれ)を持つ魚で、イシモチともよく似ています。主に西日本で獲れる魚で、春から夏にかけて旬を迎えます。蒸し暑い一日だったので、南蛮漬けにしました。 コイチの腹膜。 腹骨にササミのような筋肉が付着...

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絶品の刺身!外洋に面した浅場に棲息

新鮮であれば、ニベの刺身がおすすめです。

今回入荷したのは、比較的大きな個体でした。鱗と内臓を取り、1日冷蔵庫で寝かせてから刺身に引きました。

鮸・にべ・ニベ

ニベの全身。

全体的に黄色味がかっていますね。斜めに斑紋が綺麗に並んでいます。お腹が張っているところを見ると、どうやら卵を抱えているようです。胸びれと腹びれの距離は近く、スズキ目の特徴を有しています。

ニベの吻

ニベの吻(ふん)。

比較的短めの吻です。下顎よりも上顎の方が丸く突き出ています。

ニベの耳石

頭を割ると、中から白い耳石が出て来ました!

イシモチなどにも見られる耳石ですが、ニベにもあるんですね。

ニベの第一背鰭

背鰭は二手に分かれているようです。

手に持っているのは第一背鰭です。

ニベの刺身

やはり大きな個体は寝かせるに限りますね。

三日ほど寝かせても美味しいでしょう。

ニベの腹びれ

ニベの腹びれ。

腹びれも黄色味がかっています。

ニベの尾びれ

ニベの尾びれ。

鰹の尾びれのように、V字型には切れ込んでいません。高速で泳ぐ魚ではないようです。

ニベの内臓

ニベの内臓。

うっかり浮袋を撮影するのを忘れてしまいました(^-^; 中骨にしっかり付着していたのは覚えていますが、そのまま引き剥がしてしまいました。卵巣には血管が色濃く走っており、この後血抜きをしてから煮ました。

ニベ

なかなか歩留まりも良かったです。

食べ応えのあるニベですが、さほど市場には出回りません。比較的珍しい魚の部類に入りますが、見つけたら購入しておきたいですね。

ニベやチョウザメ、イシモチなどの浮袋は「魚肚(ユイドウ)」として、中国料理の高級食材にもなっています。乾燥させた浮袋を戻し、煮込みやスープに使われています。

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