愛媛県産のヒオウギ貝が入荷しました。
カラフルな貝殻が人気で、愛媛県の由良半島が一大産地となっています。イタヤガイ科に属する二枚貝ですが、捌き方は帆立貝などと変わりません。
ヒオウギ貝の刺身。
貝殻を土台に盛り付けます。
この個体は黄色い貝殻で、殻の内側も薄く色付いています。可食部は貝柱と貝ヒモ(外套膜)になります。深緑色をしたウロを食すこともありますが、貝毒を貯め込みやすい部位です。よほど新鮮でない限り処分した方がいいでしょう。
平たい殻を上に、蝶番から約3分の1のポイント
二枚貝を捌く際に使う道具を”貝剥き(かいむき)”と言います。
貝柱を外すことによって、固く閉ざした貝殻が開きます。どこに貝柱があるのか、その場所が問題になります。
帆立貝や岩ガキなども、概ね外靭帯(がいじんたい)のある蝶番から約3分の1のポイントを狙います。そこに貝剥きを滑り込ませ、前後に動かしながら貝柱を外します。
美しい発色の桧扇貝(ひおうぎがい)。
個体によって色が違いますが、オレンジ色のヒオウギ貝が約7割を占めます。その他は黄色、紫色、赤色などがあり、それぞれ1割程度のようです。
扇の要に当たる殻頂(かくちょう)の前後に耳状突起が見られます。
この突き出た部分はヒオウギ貝の特徴の一つですね。
ヒオウギ貝の二つの殻は片方が平たく、もう一方は丸みを帯びています。上の写真は平たい方の貝殻ですね。蝶番からおよそ3分の1のポイントに貝柱の跡が付いています。
こちらは丸みを帯びた方の貝殻。
貝柱は上下にくっ付いていますので、反対側にもこそげ取った跡があります。
赤っぽ(アカハタ)。
今回はアカハタの刺身をメインに盛り付けました。
ラディッシュの手前の白身は、ウマヅラハギです。
ヒオウギ貝はそんなに大きくないので、通常サイズの皿にも対応できます。
黄色、オレンジ、赤色のヒオウギ貝が揃います。
それにしても色鮮やかですね。滅多に見られませんが、白いヒオウギ貝も存在するようです。白い個体は希少価値がありそうですね。万に一つとお目にかかれなかったからでしょうか、春日大社の神鹿や大神神社の蛇神はいずれも白色です。
カラーバリエーションに富んだ貝殻ですが、何かに応用できそうです。一口サイズなのも嬉しいですね。煮沸消毒して保管しておくことにしました。