聖林寺十一面観音の工程模型!なら歴史芸術文化村

なら歴史芸術文化村で学ぶ仏像の作り方。

昨春オープンの際には、玉眼の入れ方などが展示されていました。今回訪れた文化財修復・展示棟では、聖林寺十一面観音の工程模型が案内されています。国宝の第一号指定を受けた人気の仏像です。十一面のお顔をまじまじと見学できる機会も滅多にありません。有意義な時間を過ごすことが出来ました。

聖林寺十一面観音の工程模型

聖林寺十一面観音の工程模型。

観音様の頭上に乗っかる様々な表情の仏頭。なかなかニヒルな顔立ちです(笑)

聖林寺曼荼羅展と十一面観音
11月に開催された聖林寺曼荼羅展へ足を運んで参りました。 聖林寺秘蔵のマンダラ展公開期間は11月1日から30日までの一箇月間です。毎年のことなのですが、11月は秋の旅行シーズンとも重なり多忙を極めます。何とか最終日の30日にすべり込む形で参...

スポンサーリンク

心木から木屎(こくそ)盛り上げ、復元へと至るプロセス

仏像作りには段階があるようです。

完成に至るまで、決められた工程を経ながらの作業になります。

聖林寺十一面観音の工程模型

左から心木(しんぎ)、木屎(こくそ)盛り上げ、復元と続きます。

木心乾漆像である十一面観音の基礎となる “素のお姿” が、一番左の工程ということなのでしょう。その横の「木屎(こくそ)」とは、古来の技法を表しています。素材の傷やヒビ割れを補修するために用いられた技法で、粒の細かい木の粉と飯(炊いた米)をよくすり潰し、練り合わせて作ります。その木屎(こくそ)で盛り上げた姿が真ん中の仏頭なのでしょう。

最後に復元された仏頭は黄金に輝いています。一般的に螺髪は青色だったようです。

聖林寺十一面観音の工程模型

木屎(こくそ)盛り上げの工程。

正面向かって左側の仏頭です。牙を出していますね。

十一面観音の表情には、決まった型があるようです。正面に穏やかな顔立ちの面三面、左(向かって右)に憤怒の面三面、右(向かって左)に牙を出した面三面、背面には大きく笑った面一面があります。

薬師寺東塔の模型

エントランス奥の薬師寺東塔模型。

美しい裳階(もこし)が再現されていました。

懸魚

懸魚。

寺社建築の妻に見られる意匠ですね。ハート形の穴から察するに、猪目懸魚でしょうか。

聖林寺十一面観音の工程模型

頭の一番上、頭頂に乗る如来面(仏面)です。

何かを悟ったかのように瞑想しています。

聖林寺十一面観音の工程模型

観音様がお立ちになる台座。

ハスを象った蓮坐ですね。

聖林寺十一面観音の工程模型

こちらは憤怒の面。

一番てっぺんの如来面とは、明らかに表情が違います。怖い!

薬師寺東塔模型inなら歴史芸術文化村

色んな角度から楽しめる『なら歴史芸術文化村』

新たなスタイルで登場した天理市の観光施設です。道の駅も併設されており、車中泊も可能なようです。シャワー室完備のサイクルステーションがあるのも嬉しいですね。

タイトルとURLをコピーしました