飛鳥寺の阿弥陀如来坐像!写実性に富んだ藤原仏

飛鳥大仏の向かって右側に坐しておられる阿弥陀如来坐像。

藤原時代の仏像で、物静かな雰囲気を漂わす仏像として知られます。

飛鳥寺の阿弥陀如来坐像

飛鳥寺の阿弥陀如来坐像。

連泊でお泊り頂いたオーストラリアの外国人観光客をお連れして、日本最古の寺院である飛鳥寺を参拝しました。アデレードご出身のお客様だったのですが、のんびりとした明日香村の雰囲気を大変気に入っておられました。

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写実表現の阿弥陀仏!飛鳥寺ゆかりの蹴鞠も展示

オーストラリアのお客様は、異国の地で見る仏像に興味津津のご様子です。

参拝受付で拝観料をお支払いして、本堂の中へと進みます。

飛鳥寺の阿弥陀如来坐像

飛鳥寺の本堂。

すぐ右手に高さ約3mのご本尊・飛鳥大仏(釈迦如来坐像)が姿を現します。その向かって右手奥に、ひっそりとした佇まいで座っておられるのが阿弥陀如来坐像です。

飛鳥寺の拝観パンフレットには、「堂々とした量感、写実的表現は藤原の特色をよく伝えている」と記されています。確かにそのお姿にはリアルな写実性が見て取れます。

飛鳥大仏

阿弥陀如来坐像の前から飛鳥大仏を見上げます。

飛鳥寺の飛鳥大仏
もう何度も足を運んだ飛鳥寺。飛鳥寺は私にとって、近くて遠いお寺でした。飛鳥寺のご本尊・釈迦如来坐像(飛鳥大仏)。母の実家が高市郡高取町佐田にあったことから、小さい頃にはよく父や叔父の送迎する車で飛鳥寺の近くを通っていました。しかしながら、そ...

この角度からご本尊を仰いでいると、岡寺のご本尊・如意輪観音坐像を拝観した時のことを思い出します。岡寺参拝の際、ご本尊の向かって右手から結縁させて頂いた記憶が蘇ります。

至近距離から本物の仏像を体感できる。

これはまたとない貴重な体験ではないでしょうか。

飛鳥寺伽藍配置図

創建当初の飛鳥寺伽藍配置図。

本堂内の西側に掛けられていました。

塔を中心にして、西金堂、中金堂、東金堂の三つの金堂が配置されているのが分かります。一塔三金堂の伽藍配置は、飛鳥寺を特徴付けるものとして広く知られています。

飛鳥寺阿弥陀如来坐像

悟りを開いた如来様です。

ご本尊の飛鳥大仏も如来なら、脇を固める阿弥陀様も如来です。

ご本尊の向かって左手には、室町時代の聖徳太子孝養像が祀られています。飛鳥寺は蘇我馬子が発願し、推古天皇の時代に創建された寺院です。聖徳太子の活躍した時期とも重なり、仏教を擁護するための強い意志が感じられます。

飛鳥寺の蹴鞠

本堂に続く廊下脇に飛鳥寺に伝わる蹴鞠が展示されていました。

大化の改新へと繋がる歴史的な出会いを生んだ蹴鞠。

中大兄皇子と中臣鎌足が、ここ飛鳥寺で蹴鞠に興じたという逸話は有名ですよね。藤原鎌足を祀る多武峰の談山神社では、毎年秋になると蹴鞠の祭事が催されます。飛鳥寺にそのルーツがあることを再確認しておきたいと思います。

飛鳥大仏

人々の心を捉えて離さない飛鳥大仏。

私たちが拝観している最中にも、賑やかな修学旅行生たちとすれ違う機会がありました。日本最古の寺院に日本最古の仏像とくれば、飛鳥寺が修学旅行の人気コースに定着しているのも頷けますよね。

飛鳥寺阿弥陀如来坐像

飛鳥大仏の陰に隠れがちですが、しっかりとその存在感を解き放つ阿弥陀如来坐像。

さすがはインターナショナルな飛鳥寺だけあって、拝観パンフレットには日本語案内の他にも、英語やハングル語の案内も見られます。

朝鮮半島からの渡来人たちによる影響を色濃く受けている飛鳥寺。大陸とのつながり無しには飛鳥寺が建立されなかったことを考えると、今後の国際理解を深める上でも、飛鳥寺の果たす役割は小さくはないのではないでしょうか。

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