安倍文殊院の境内に恒例のジャンボ干支花絵が登場しています。
2016年(平成28年度)の干支は申です。尻尾の先をくるっと丸め、棒にぶら下がる猿がパンジーの花で演出されています。さすがに猿らしく、躍動感あふれる ”ジャンボ絵馬” が参拝客の目を楽しませています。
申年のジャンボ干支花絵。
約8千株のパンジーを使って、縦20m、横25mの巨大キャンバスに描かれます。日本三文殊の第一霊場である安倍文殊院は知恵の神様として知られます。合格祈願に訪れる受験生も多く、「合格」の文字が紅白の葉牡丹で添えられています。合格の文字の上の五芒星は、安倍晴明ゆかりの魔除け印ですね。
「勝る」「魔が去る」に通じる縁起物の猿
猿の縁起を担ぐ寺社は各地に見られます。
京都哲学の道の外れにある大豊神社の狛猿はよく知られるところです。京都御所の鬼門を守る猿も有名ですよね。奈良町の身代わり猿なども愛嬌があって観光客の人気を集めています。
猿の持つパワーには計り知れないものがあり、来る年には期待が膨らみます。
紅葉と金閣浮御堂(仲麻呂堂)。
昨年度の未年の干支花絵も記憶に新しいところですが、毎年アップデートされる安倍文殊院のジャンボ花絵を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。時期的なタイミングからか、年賀状用に写真撮影に訪れる参拝客も数多く見られます。奈良県中南和地域に限定するなら、年賀状用のモチーフとしては「橿原神宮の大絵馬」と「安倍文殊院の干支花絵」が人気を二分しているように思えます。
さらに安倍の文殊さんには安倍晴明の陰陽師パワーが重なります。
干支花絵を見下ろす高台には、安倍晴明を祀る晴明堂が祀られています。晴明天文観測の地でもあり、いかにもご利益に授かれそうな条件が揃っています(笑)
縁結び大神の白山堂。
安倍文殊院境内の縁結びスポットです。
白山堂のハート型絵馬。
一年の終わりと年の始めは特に良縁への想いが強くなります。
ご実家へ里帰りして、一家団欒の場で 「いい人見つかった?」 といった会話が交わされます。寂しいクリスマスを過ごした直後だけに、その言葉が胸に突き刺さります。年頭の良縁祈願は自然な流れなのかもしれませんね。
西暦2016年。
猿の尻尾の先がくるっと丸まっていますね。このくるっと丸まった形を見ると、なぜか縁起の良さを感じます。唐草文様にも似ていますが、あらゆる願い事を叶えてくれる「如意」のイメージと重なります。当館でもお祝い料理に如意巻きを作ることがあるのですが、その断面の映像が浮かび上がります。
元気そうな猿です(笑)
棒にしっかりぶら下がって、「落ちない猿」を表現しています。学問の神様でもある安倍文殊院らしい演出を感じます。受験生の方々も是非、入学試験に落ちないために安倍の文殊さんを訪れてみられてはいかがでしょうか。
文殊院西古墳。
文殊池の前に佇む横穴式石室(特別史跡)です。実際に石室の中に入ることもできますので、お参りの際は探検気分でどうぞ。
微笑んでいるのでしょうか。
その表情までははっきりと確認することはできませんが、寄ってみることで精巧に作られていることがうかがえます。
今回で21回目を迎えるジャンボ花絵の企画。文殊院の職員の方々による手作り作品が、毎年数多くの参拝客を楽しませています。今年のテーマは、嬉嬉・落ちない猿とされます。嬉々とする猿から、キーキーという猿の鳴き声が聞こえてきそうですね。
展望台から見える景色がナビゲートされています。
遥か西に二上山や葛城山、藤原宮跡の周りの大和三山、そして文殊院からおふさ観音まで伸びる大和長寿道が案内されます。
師走に入って既に5日目を迎えています。そろそろ年賀状作成に取り掛かるタイミングですね。題材を何にするか思案中の方も多いと思われますが、安倍文殊院のジャンボ干支花絵もその内の一つの候補になるのではないでしょうか。
<安倍文殊院のジャンボ干支花絵>