椿井城跡へ上がって行く集落の入口。
鎌倉時代作の椿井線刻石仏に手を合わせて来ました。自然石を頭上に乗せた笠石仏で、胸から下に切断の跡が見えます。その昔、牛馬をつないで引き倒されたようです。道の駅くまがしステーションからも徒歩圏内でした。
椿井集落の西入口に立っています。
薬師如来立像のようですが、地元では“ミロク(弥勒)”と呼ばれています。
椿井井戸、椿井城跡の手前に祀られる線刻笠石仏
矢田丘陵の稜線上に築かれた椿井城。
その麓に祀られる線刻仏です。線刻石仏は英語に翻訳すると、line engraving stone buddha のようです。お顔の摩耗は激しく、その表情をうかがい知ることは出来ません。その反面、下半身の線刻は鮮明に残っています。椿井城跡のハイキングをお考えの方は、そのアプローチ道にいらっしゃる椿井線刻石仏を是非見ておきましょう。
衣文や蓮台と思しき線刻がはっきりと見て取れますね。
昭和53年に町の指定文化財になっています。平群町内には「揺るぎ地蔵石仏群」「清滝石仏群」「樽観音石仏」などもあり、石仏ファンを魅了しています。
道の駅くまがしステーション。
国道168号から一本東へ入った道沿いから撮影。駐車場はもちろん、食事処や土産物売場も揃っています。道の駅に車を停めたら、平等寺春日神社、宮山塚古墳、椿井春日神社、宮裏山古墳、椿井井戸などを巡るのもおすすめです。
椿井城跡の方へ、南に向かって歩いて行きます。
平群町のマンホール蓋。
真ん中上部に町章、その下には町の木・樫(かし)と町の花・菊がデザインされていました。
ここを左へ曲がるようです。
椿井井戸300m、宮裏山古墳360mと出ています。竜田川駅はこのまま直進するようです。
左折ポイント。
山手へ登って行く椿井集落の入口です。忠魂碑の向こうに、お目当ての笠石仏が見えていますね。
赤い前掛けをした石仏を従えます。
赤色は魔除け効果を狙ったものでしょう。峠道や集落の出入口でよく目にする石仏。疫病をはじめ、邪悪なものの侵入を防ぐ目的があったものと思われます。
きれいに胸から下が切断されています。
古民家の軒先で目にする“駒繋ぎの環”は、馬をつないでおくためのものです。この縦長の石仏も、同じ用途に使われたようです。牛馬をつなぐ手綱が笠の部分に引っ掛かり、ちょうど良かったのかもしれませんね。不運にも引き倒され、真っ二つに割れていました。
肝心の尊顔は拝めません。
長年の信仰の証でしょう。
お寺の賓頭盧尊者がピカピカに光り、やがては摩耗するように、多くの人々の手で撫でられた跡がうかがえます。よく見ると、自然石の笠も一部割れているのでしょうか。前方が欠けているようです。
ここはお城や古墳、神社の入口です。