ホテイアオイの名所が奈良県内にあります。
場所は藤原宮跡から南へ車で5分ほど走らせた所・・・奈良の薬師寺が元あった場所とされる本薬師寺跡です。華麗な薬師寺からは想像できない静かな場所にホテイアオイの名所はあります。
本薬師寺跡のホテイアオイ(2011年9月撮影)。
ホテイアオイは六弁花なんですね。背後に見えるのは、大和三山の畝傍山です。
大和三山を望む本薬師寺跡!鶏頭やヒマワリも開花
香具山は 畝傍ををしと 耳梨と 相あらそひき
という万葉歌が残されています。
天香久山と耳成山を男性になぞらえ、女性に例えた畝傍山をお互いに奪い合った、という意味の歌です。
畝傍山は女性なのか・・・。
確かにちょっと撫で肩で、その美しい山容は女性特有の曲線美を連想させます。よく見れば、二上山のように2つの瘤(こぶ)を確認することもできます。
同じく大和三山の一角を担う耳成山は、”耳無し”が由来と言われるぐらいののっぺらぼう(笑)、天香久山にいたっては山容がはっきりせず、これが本当に「国見の山」だったのかと思われるぐらいの見た目です。
畝傍山を女性と見立てた古代人の感覚に納得です(笑)
それにしても、一面に咲き誇るホテイアオイ!
ここが本薬師寺跡であることを伺わせる礎石のようなものを見つけました。
現在は西の京にある薬師寺が、その昔はここ橿原市に佇んでいたのです。
9月も半ばに差し掛かり、彼岸花も咲いていました。
この辺りでは橘寺をはじめとする飛鳥の彼岸花が有名ですが、飛鳥から少し離れた本薬師寺跡にも早々とヒガンバナの花が見られました。
こちらは、名残のひまわり。
夏から秋へ移り変わる季節の中で、様々な花が本薬師寺跡を彩ります。
これこそが、ホテイアオイの名前の由来です。
ぷっくりと膨らんだ葉柄が、七福神の布袋さんを連想させます。
布袋さんのお腹ですね(笑)
布袋さんと言えば、ミュージシャンの布袋寅泰さんが頭をよぎります。指に連れていかれるギタリストと言うか、そのテクニックに酔い痴れるファンも多いのではないでしょうか。
水面に浮かぶホテイアオイの花言葉は”揺れる心”と言いますから、曲作りに励む布袋寅泰さんがダブって見えてきます♪
鶏頭の花も咲いていました。
山の辺の道の玄賓庵で鶏頭の花を見かけたことがありましたが、確か同じような時期だったように記憶しています。
もうほとんど終わりかけでしたが、蓮の花もわずかに咲いていました。
背景の畝傍山が美しい。
桜や紅葉の名所は数あれど、ホテイアオイの名所はあまり耳にしませんよね。9月に奈良観光に訪れたなら、是非とも足を運んでおきたい名所です。