大神神社のお膝元で、昔ながらの手造りによる醸造を続けておられる今西酒造さん。
今西さんのお誘いで、蔵元見学を体験して参りました(2012年度)。
創業270年の今西酒造さん。
大神神社の杉玉がぶら下がっていますね。
酒造好適米の露葉風!大神神社下賜『志るしの杉玉』
「酒ばやし」とも呼ばれる杉玉は、造り酒屋の象徴として軒下に掛けられる伝統があります。
室町時代の復元酒とされる菩提酛(ぼだいもと)。
古代のお酒はありませんか?との私の問いに対し、今西さんがご用意して下さったお酒です。
清酒発祥の地とされる菩提山正暦寺において作醸された酒造法に基づき、今も連綿と造られているお酒です。元は僧兵が造っていたお酒ということで、ラベルには僧兵のイラストが描かれています。
軒下の杉玉に、「志るしの杉玉」の文字が見えます。
大神神社の拝殿には、巨大な志るしの杉玉がぶら下がっています。
杉玉は全国の蔵元に配られているわけですが、この「志るしの杉玉」と記された杉玉こそが、大神神社から直接賜った証拠なんだそうです。
酒造好適米の露葉風(つゆはかぜ)。
山間にある笠山荒神社よりさらに上へ登って行った所にある桜井市三谷という場所で、今西さん自らが育てておられるお米です。普通の食用米に比べて、米の粒が少し大振りでした。
露葉風。
真ん中に露葉風、左に食用米、右手に山田錦の稲穂が並べられており、それぞれを一目で比較できるようになっていました。
米の重さを量る昔ながらの道具ですね。
見るからに歴史を感じさせます。
この道具でお米を洗うんだそうです。
木箱の底に可動式の穴が開けられていました。
酒蔵内には醸造過程のタンクが数多く並んでいました。
工事現場の足組みのような板を渡って、真上から見学することも可能です。
こちらは圧縮する機械。
酒蔵ならではの珍しい機械に触れながら、メンテナンスのご苦労に頭がよぎります。
代表的銘柄の三諸杉(みむろすぎ)と、冬季限定酒の鬼ごのみの看板。
大神神社は言わずと知れた酒の神様です。
「極楽はどこにある?」と問われた一休和尚は、「あの青々とした杉玉の向こうにあろう」と申されたそうです。新酒がいかに珍重されてきたかが分かるエピソードではないでしょうか。
今西酒造さんの酒蔵見学は、要予約で4名様から受付。
当館大正楼にお泊りのお客様も、ご希望の方がいらっしゃいましたらどうぞご遠慮なくお申し出ください。