スズキ目シマイサキ科の縞伊佐木(しまいさき)。
春から夏にかけて旬を迎える魚です。オレンジ色の内臓を持つシマイサキですが、梅雨時に美味しくなるイサキとはまた別種のようです。近縁種のコトヒキが琉球列島周辺に多く分布しているのに対し、シマイサキはより北方に棲息しています。
シマイサキの姿造り。
30cmほどの個体で、姿造りにするにはちょうどいいサイズでした。白身の刺身の他、皮付きのまま焼霜造りにしてみました。淡白な味わいゆえ、皮を引かずに料理するのもいいでしょう。
浮袋で鳴くシマイサキ
シマイサキはその浮袋を使って「グゥグゥ」と鳴くようです。
成魚は白地に黒い縦縞が数本走っています。入荷したシマイサキはやや黄色っぽく、成長過程の幼魚なのかもしれません。あるいはシマイサキの中の亜種なのかもしれませんね。魚の専門家でもないので詳しいことは分かりませんが、なかなか綺麗な魚体でした。
入荷したシマイサキ。
見た瞬間、フエフキの一種かなと思ったのですが「シマイサキ」とのことでした。
なかなか鋭い歯をしています。
背びれの尖がりも立派です。三枚おろしの際は細心の注意が必要ですね。
シマイサキの煮付け。
湯霜に取って余分な鱗を取り除き、酒ベースで煮付けます。牛蒡や椎茸など、旨味をのせる食材と合わせました。牛蒡はもちろん、宇陀ごぼう。金粉をまとう地元奈良産の縁起食材です。
のこぎり状の歯が付いています。
おそらく肉食系の魚なのでしょう。
吻の先から背中にかけて直線的です。
この真っ直ぐに突き出た吻がシマイサキの特徴とされます。
海水魚でありながら、汽水域で泳いでいることもあるそうです。
浮袋で鳴くことから、シャミセン・ウタウタイなどの別名もあります。香ばしい焼霜造りが最高に美味しかったです!