夏に太平洋岸を北上し、秋に南下回遊するカツオ。
早春から北上する上りガツオと、秋に脂肪を蓄えて南下する戻りガツオ。
関東では上りガツオを、関西では戻りガツオを好む傾向にあります。
新鮮なカツオ。
鰹料理は分厚い刺身に尽きるでしょう。
味の良いスマ!ソウダガツオにハガツオ、鰹色々
カツオ料理といえば、厚めのお刺身にするか”カツオのたたき”に尽きますよね。
カツオは鮮度が落ちやすく、スーパーなどで売られているカツオの色は既にどす黒いというか・・・イマイチ感がぬぐえません。
一口に鰹と言っても、数種類存在しています。
写真のカツオはマガツオですが、その他にもハガツオ(歯鰹)、ソウダガツオ(宗太鰹)、スマ(縞鰹)に大別されます。
ハガツオは本州中部以南で漁獲され、身が非常に柔らかいのが特徴です。ソウダガツオには体の平たいヒラソウダと、やや小ぶりで丸い体形のマルソウダがいます。味的にはヒラソウダの方が上で、マルソウダはほとんどソウダ節に加工されます。
スマは漁獲量が少ないですが、マガツオに劣らず脂がのっています。
スマの見分け方ですが、胸鰭の下にあるお灸のような黒い斑紋が目印になります。背には斜めに走る縞模様があり、マガツオには見られない特徴です。
新鮮なカツオの選び方ですが、尾の付け根を逆なでしてみてザラザラしていれば新鮮な証拠です。
カツオのお腹には数本の縞模様がありますが、実はこの縞模様、生きている時にはありません。そうなんです、カツオの縞模様は死んでから現れるものなのです。とにかく、尾の付け根がやすりのようにザラザラしているカツオを選ぶことが大切です。
さらには、えらが鮮紅色で、えらぶたのはげていないものがいいでしょうね。
カツオに限らず、魚の三枚おろしの手順は腹→背→背→腹です。
腹からおろしていくということは、まずは頭を右に置くことになります。これには意味があって、魚は陳列の際に頭を左にしています。重みを支えている右側の身を先におろしてあげるのは理にかなっています。
カツオの傷みが早いのは今も昔も変わりません。
鎌倉時代以前は、干して保存することが多かったそうです。そこから、「堅魚」と書いてカツオと言うようになりました。カツオは堅い魚に由来していたんですね。調理師資格を目指している人なら、是非この”カツオのさばき方”はマスターしておきたいところです。