今秋に開催されたイベントですが、三輪の町にセピア色の写真が展示されました。
昔の町並みが今も残る三輪界隈ですが、昭和30年代の町並みを知る人は少なくなっていることでしょう。町家の軒先に飾られた古写真を見ながら、かつての三輪に想いを馳せます。
三輪大橋と三輪山。
大和川(初瀬川)に架かる三輪大橋の写真だと思います。三輪山を仰ぐ光景は今も変わりませんが、古びた橋と大八車が郷愁を誘います。
お祓いの意味を込めた造り山!温もりを感じる船
三輪山麓の瑞垣郷にある三輪町。
大神神社のお膝元に位置し、神社の祭事とも深く関わってきた歴史があります。毎年7月31日に催される奉納花火大会が人気を呼んでいますが、恒例の夏祭りは大神神社の摂社・綱越神社の例祭です。大鳥居の向かって右手に社叢が見えていますよね。
夜の花火大会にばかり注目が集まりますが、午前中の祭事も見逃せません。古式に則った ”神馬曳き” も見応えがありますので、ご興味をお持ちの方は是非(^^♪
おんぱら祭の立山『綱越丸』。
手作り感溢れる立山ですね。家にある台所用品などが使われています。そもそも立山とは、人形などの作り物を指すことが多く、祭事などでは厄落としの風習が今も残ります。冬に開催される『平城宮跡大立山まつり』などもその名残です。
かつてのおんぱら祭で、船の立山が飾られていたとは知る由もありませんでした。
大神神社の注連縄。
立山(造り山)がお祓いなら、注連縄にもよく似た役目があります。俗界と神域を分ける場所に掛けられ、そこで参拝者を改めてけじめを付けさせます。
【昭和30年代初めの「おんぱら祭」での東柳町の造り山(立山)】
昭和30年代頃までの”おんぱら祭”には、まちなかの各町内に、町内の人たちによる手作りの飾り物、「造り山(立山)」の奉納、展示があり、参拝者の楽しみの一つでした。東柳町の「造り山」は、台所や生活用品を材料にした作品で、手作り感が漂う「造り山」でした。
それにしても生活感漂う立山です。
もちろん、今の時代ではあり得ない作品なのかもしれませんが、身の回りの物を使った温もりを感じます。やはりこういうものはプロの業者が作る物ではありません。そこに込めた地元住民の気持ちが大切ですね。
大神神社の菊花奉納。
毎年秋になると、祈祷殿・儀式殿前で菊花展が催されます。
大きな杉玉。
祈祷殿の軒下に吊り下げられていました。
酒造りのシンボルであり、全国各地の居酒屋さんでも見かけます。
セピア色の写真をたまに見ると、心が和みます。そのまま保管しておくだけでは、徐々に傷みが進んでいくことでしょう。デジタルデータ化して残すことも必要だと思います。
昔聴いたレコードにも価値を見出す時代になりました。それと同じように、昔の写真にも計り知れない価値が眠っています。