山の辺の道沿いにある念仏寺。
浄土宗念佛寺の墓地の一画に、「杖立迎地蔵」というお地蔵さんが祀られていました。
この日、私は地蔵詣でが目的だったわけではありません。前方後方墳で知られる下池山古墳の見学に出向いていました。下池山古墳の墳丘に登った後、国道方面へ引き返す途中に立ち寄りました。
念佛寺の杖立迎地蔵。
迎地蔵と言うからには、あの世からのお迎えでしょうか。念佛寺は阿弥陀如来を本尊とする浄土宗のお寺です。右手に錫杖らしき杖を持ち、腰から下の下半身が地中に埋まっています。
行基僧正開基の大塚山寶性院念佛寺
山の辺の道を北へ向かいます。
長岳寺から大和神社の御旅所、中山大塚古墳を過ぎた辺りに念佛寺はあります。
奈良時代に開かれたお寺のようで、開山は行基僧正とされます。念仏寺から西へ下ると大塚山ペット霊園があり、周辺一帯は弔いの場所になっていました。
覆屋に守られるように祀られています。
杖立迎地蔵の背後には墓地が広がっていました。
地蔵前を北へ向かうと、左前方に下池山古墳が見えてきます。
道端には彼岸花が咲いていました。
別名を「狐の松明(キツネノタイマツ)」とも言いますが、その名にふさわしい妖艶さですね。
地蔵のシンボルでもある錫杖。
観音様にしては珍しく、長谷寺の十一面観音は錫杖を手にしています。杖を突きながら、衆生の元まで降りて来て下さる有難い観音様で、その杖は慈悲の象徴でもあります。
来迎図に描かれるのが阿弥陀如来ですが、その中にお地蔵さんも含まれているのでしょうか。
地獄に堕ちた者にも救いの手を差し伸べるのが地蔵菩薩と言われます。
杖立迎地蔵の後ろにも、多くの石仏がありました。
立派な五輪塔も建っていますね。
大塚山寶性院念佛寺。
山の辺の道の正規ルートは、この門前を右へ向かって墓地の中をすり抜けて行きます。杖立迎地蔵にお参りするには、ここを左に取ります。
門前の道標。
念佛寺名物の一休さんが手を挙げています。
念佛寺から衾田陵までは300mのようです。
念佛寺の本堂でしょうか。
この日はよく晴れていて、ブルーとグリーンが実に鮮やか!
袈裟を着た一休さん。
なかなかインパクトがありますね。
門前を左に取り、さらに右折します。
季節の芙蓉が咲いていました。この進行方向左手には念佛寺の駐車場があります。
駐車場からさらに北上すると、杖立迎地蔵が見えてきました。
広い墓地の隅っこに当たります。下池山古墳ももうすぐそこです。
大塚山ペット霊園社。
その背後に見えている杜が、下池山古墳の墳丘です。
名も無い地蔵石仏が多い中で、ちゃんと名前の付いているお地蔵さんです。中山念佛寺の「杖立迎地蔵」、この機会に是非覚えておきましょう。