明日香村に伝わる謎の石造物・猿石。
本物の猿石は欽明天皇陵近くの吉備姫王墓(きびひめのみこのはか)にあります。
斉明女帝の母に当たる人物を葬り、「檜隈墓(ひのくまのはか)」とも呼ばれています。残念ながら柵に囲われており、猿石の後面を見ることができません。そんな状況を打開してくれるのが、明日香村埋蔵文化財展示室でした。
猿石の中の一体、山王権現の後面。
邪気の姿を表しているようです。飛鳥資料館の庭でも見た覚えがありますが、またまた再会を果たしました!ちょっと分かりづらいですが、四角い顔に牙と角が彫られています。
東山カワバリ遺跡出土の飛鳥寺鴟尾
今回注目しておきたいのが飛鳥寺の鴟尾(しび)です。
初めて耳にしますが、東山カワバリ遺跡からは7世紀中頃以前の掘立柱建物が見つかっているそうです。飛鳥寺に使用されていた鴟尾も出土しており、覚えておきたい遺跡の一つです。
山王権現を横から見ます。
左の一段下がっている方が背面の邪気で、右側が表の顔です。
吉備姫王墓では見ることの出来ないアングルですね。まじまじと見学するには、やはりレプリカの方が勝っています。
明日香村埋蔵文化財展示室。
ちょうどその玄関前が、金かめ乗合交通「明日香夢の楽市」の停留所になっています。
山王権現の解説。
この石像は吉備姫王墓(きびひめのみこのはか)内に置かれている四体の猿石の内の一体で、山王権現と呼ばれています。
前面は大きな目と鼻、口をもつ裸の男性で、烏帽子をかぶり、お腹を押さえるような仕草で正座する姿が彫られています。後面の顔は少し下がった位置にあり、四角い顔に牙と角がある獣のような顔が彫られていることから、邪気の姿と考えられています。
ここでは「邪気」と書かれていますが、よく仏像に踏み付けられている「邪鬼」と同じなんでしょうか。
山王権現の下半身。
なんとも象徴的な彫刻です。
飛鳥大仏ですね。
日本最古の仏像と言われる釈迦如来坐像。
飛鳥寺の御本尊で、アルカイックスマイルが特徴的です。
飛鳥寺の本堂前に紅梅が開花していました。
日本最古の仏教寺院として有名ですが、意外と小ぢんまりした境内です。南方には真神原が広がり、遥か古代への郷愁が漂います。
飛鳥寺の鴟尾(しび)。
上部には明日香村内鴟尾出土位置図と飛鳥寺出土鴟尾復原図が示されます。
こんな貴重なものが残っていたんですね。
左から飛鳥寺の創建軒瓦(花組)、飛鳥寺創建軒瓦(星組)、豊浦寺の軒瓦。
花組と星組という仕分けが面白いですね。
確かにそのように見えてきます。
明日香村埋蔵文化財展示室の入館料は無料です。ディープに明日香村の歴史が学べますので、古代史好きには是非おすすめしたいと思います。