景行天皇陵の南側にある額田王の万葉歌碑。
”三輪山をしかも隠すか” で始まる有名な万葉歌・・・大和を象徴する三輪山との惜別の念が伝わってくる名歌ですが、その歌碑のすぐ近くに葉牡丹が植えられていました。花の少ない真冬に重宝がられる葉ボタン。その葉牡丹が山の辺の道沿いに栽培されているとは思ってもみませんでした。
山の辺の道沿いの葉ボタン園。
日本最古の道に沿うように、葉牡丹が植えられていました。
向こうに見えているのは神の山と仰がれる三輪山です。
地域農業やコミュニティを活性化する穴師の里友遊会
実はこの日、立子塚古墳を見学するために山の辺の道を訪れました。
正確に言えば、山の辺の道ではなくて景行天皇陵の南方を目指しました。周辺を探し回ったのですが、すぐには立子塚古墳の場所が見つかりませんでした。迷い込んでしまったのです。その甲斐あって、山の辺の道の南方を辿って行くことになりました。
そこで、目にしたのが葉牡丹だったというわけです。
山の辺花街道 穴師の里友遊会 山の辺の道地域づくり協議会。
葉ボタンの畝が道に沿って伸びていますね。
穴師の里友遊会って何だろう?
疑問に思って検索してみると、どうやら地域農家の方々が連携し、穴師エリアの景観保全にご尽力なさっているようです。穴師の里友遊会では収穫体験なども行われ、コミュニティの活性化にもつながっています。素晴らしい取り組みではないでしょうか。
昨今は市街地を見れば、空き家問題が深刻化しています。
農業従事者の高齢化と共に、耕作放棄地や休耕田なども至る所に見られるようになりました。林業なども然りですよね。手入れされなくなった林や森は、荒れるに任せる状態です。環境そのものの悪化をも招く事態に、地域農家の方々が立ち上がられたようです。
額田王の万葉歌碑。
景行天皇陵まで800mと道案内に出ています。
葉牡丹はこの歌碑から数十メートル先に植えられていました。三輪山を背景にするこの場所は、ハイキングロードの山の辺の道を代表するスポットでもあります。
三輪山の手前で、わずかに山の辺の道がカーブを描いていますね。
ちょうどうまい具合に湾曲していて、昔ながらの古道を思わせます。意図的に道が付けられているのでしょうか?それとも、ごく自然に道が曲がっているのか・・・。そして、角度的にも申し分のない場所に万葉歌碑が建っています。