高市郡高取町下土佐に光明寺というお寺があります。
毎年3月に催される土佐街道の町家の雛めぐり。賑やかな通り沿いから一歩境内に入ると、そこには静かな空気が流れていました。どっしりとした風格を漂わせる本堂が印象的です。
光明寺本堂。
本堂前には卒塔婆や十三重石塔も見られました。松の木の下には大きな庭石も寄贈されています。
阿弥陀如来坐像を本尊とする浄土宗本願寺派のお寺
光明寺は観光寺院ではないようです。
ひな祭り見学のついでに立ち寄ったこともあり、特に拝観する意図はありませんでした。
浄土宗光明寺の寺号標。
土佐街道の石川医院の近くにあります。石段を上って行くと、立派な山門が出迎えてくれました。山号が掲げられているようですが、何と読むのでしょうね。
春季彼岸法要の案内です。
法話が催されるようですね。”お念仏は生きる力 心の支え”・・・
町家の雛めぐりイベントでは、実に様々な雛人形を楽しむことができます。
ひな人形の歴史は古く、古語の世界にも既に登場しています。昔は「ひひな」と書いてヒイナと読んでいたようです。ひな人形は人間を模ったものであり、その雛型でもありました。人間の穢れを吸い取って流すために作られたのが雛人形だったのです。早い話が身代わりですね。
負うものも大きかっただろうに、どこかあどけない表情をしています。
光明寺境内。
たくさんのお墓が建てられていますね。
おや?本堂前に何やら石碑のようなものがあります。
高取町指定文化財安置
御本尊 阿弥陀如来坐像 平安時代後期 木造
平安時代のご本尊が祀られているようです。
高取町指定文化財という箔も付けられていますね。拝観は可能なのでしょうか?この手の仏像は拝観に際し、事前予約が必要なものと思われます。あるいは拝観謝絶ということも考えられますが、果たしてどうなのでしょう。
立派な本堂です。
人頭石で有名な光永寺さんは町家の雛めぐりに参加されていましたが、光明寺さんはどうやら不参加のようです。
土佐街道沿いに展示される雛人形。
一口に雛人形と言っても、様々な種類のものがあります。全国各地に受け継がれる雛人形の歴史に触れ、改めてその裾野の広さを感じた次第です。
本堂前の庭石。
生駒石でしょうか。
その黒褐色の外観は、いかにも生駒石の重量感を思わせます。
ふらりと立ち寄ったお寺でしたが、なかなか見応えのある境内ではないでしょうか。さすがに奈良は奥が深いですね。