難波八阪神社の絵馬!噛み付く獅子舞

大阪市浪速区にある難波八阪神社。

巨大な獅子殿で知られる神社で、素戔嗚尊とその妃・奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、さらには八柱御子命(やはしらみこのみこと)を祀ります。八岐大蛇伝説で結ばれたスサノオ夫妻にちなみ、縁結びの神様として信奉を集めます。元来、この神社には牛頭天王が祀られており、本地垂迹による素戔嗚尊との神仏習合も見られます。

難波八坂神社の獅子絵馬

難波八阪神社の獅子絵馬。

スサノオは疫病退散の神でもあり、今後は新型コロナウィルスの感染拡大により参拝客も増えていくかもしれませんね。京都八坂神社の祇園祭も、悪疫退散を目的に行われます。同じ八坂神社ですが、難波八阪神社の漢字表記は「阪」であることに注目したいですね。

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無病息災を願う獅子舞のご利益

難波八阪神社の獅子殿(舞台)では、イベントの際に獅子舞や舞踊が奉納されます。

お正月をはじめ、祝い事には欠かせない獅子舞。往時に比べれば、その数も減っているとはいえ、お囃子と共にクネクネと踊り回る獅子舞を見ていると、お祭りムードが高まります。

難波八阪神社獅子殿

難波八阪神社の獅子殿。

圧倒的な存在感!

昭和49年に完成した獅子殿の高さは12mにも及びます。獅子の目はライト、鼻はスピーカーの役目も担います。随分合理的に造られているんですね。

獅子殿の歯

獅子殿の歯!

鋭い歯に噛み付かれたらひとたまりもありません(笑)

獅子舞に噛まれることは吉事です。

祭事では、敢えて頭を獅子舞の口に近づけます。獅子舞にかぶり付かれることによって、無病息災を願うのです。獅子舞の方にもお情けがあって、小さい子供から順に噛み付くようです。学力向上のご利益もありますが、やはり無病息災に勝るものはありません。

もちろん、悪疫退散の願いも届けられます。

獅子殿の舞台には、素戔嗚尊の”荒魂”が祀られていると言います。荒々しいイメージのあるスサノオですが、古事記に伝わる八岐大蛇伝説はあまりにも有名ですよね。

難波八阪神社獅子殿と狛犬

本殿前の狛犬も躍動的!

天上界から追放されたスサノオは、老夫婦が少女をはさんで泣いている場面に出くわします。

事情を聞いたところ、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)という大蛇が8人の娘を次々と食べてしまい、最後はこの少女だけになったというではありませんか。次はこの子の番だと恐れおののく老夫婦。

そこでスサノオは、その少女(奇稲田姫命)を自身に献上させ、ヤマタノオロチ退治を決意します。
無事に大蛇を退治し、その尾っぽから太刀を得たスサノオ。姉の天照大神に献上されたその太刀は、後に日本武尊が東征に旅立つ際に授けられる草薙の剣となります。

難波八阪神社の干支絵馬

開運招福絵馬。

打ち出の小槌に干支のネズミが乗っかっています。

大きな口をカチカチ鳴らしながら近づいて来る獅子舞。幼児体験として私の記憶にもはっきりと残っています。まさか噛み付かれることが福を呼ぶとは思ってもいなかった当時・・・ただただ、怖かっただけですね。

難波八坂神社本殿

難波八阪神社の本殿。

獅子殿向かって右側にある建物です。

難波八阪神社の結婚式は、こちらの本殿で執り行われるようです。初詣シーズンに訪れたためか、多くの参拝客で賑わっていました。

スサノオの妃・奇稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)。

クシイナダヒメは、霊妙な稲田の女神とする解釈もあります。奇(くし)は神秘的な感じを表す「奇し(くすし)」を意味しているのでしょう。薬の語源にもなった言葉ですから、それだけで霊妙なチカラを感じます。

老夫婦から娘を献上させた素戔嗚尊。

八岐大蛇退治の共同作戦を伝える際、クシイナダヒメを神聖な櫛(くし)に変えて、角髪(みずら)に刺したと伝わります。二人を結び付けた伝説は、今も鯉を模した「恋鯉守り」のお守りに受け継がれていきます。

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