山の辺の道沿いに鎮座する成願稲荷神社をご案内致します。
5月の薫風を浴びながら、ちょっとした森林浴が楽しめる大神神社境内。天皇社付近で銀竜草を観賞した後、角を曲がって大神神社の末社の一つに数えられる成願稲荷神社へと足を向けます。
三輪成願稲荷神社。
お稲荷さんと言うだけあって、境内には狐が数体鎮まります。
大神神社神宮寺の鎮守祠
成願稲荷神社は大神神社の神宮寺の一つであった浄願寺の鎮守社として、鎌倉時代の正応3年(1290)に創祀されています。大神神社の神宮寺と言えば、平等寺、大御輪寺、浄願寺(尼寺)の三つが知られています。
山の辺の道沿いに咲くツツジ。
これから向かう成願稲荷神社の方向に、三輪山平等寺の看板が出ています。
聖徳太子創建と伝わる平等寺と共に、大神神社の神宮寺の一つに浄願寺というお寺があったことを記しておきます。
成願稲荷神社の鳥居前に開花するツツジ。
明治時代の廃仏毀釈によって忘れ去られた浄願寺ですが、その鎮守社が今もなお、ハイキング客で賑わう山の辺の道沿いに鎮まります。
鳥居が重なります。
稲荷神社に特有のスタイルですね。
食物を司り、商売繁盛を祈願するお稲荷さん。私の家の祭壇にも、京都の伏見稲荷大社が祀られています。伏見さんの千本鳥居には遠く及びませんが、その形式を受け継いでいます。
祠の右手前に案内板がありました。
御祭神は宇迦御魂神。
橿原神宮の神饌田へ向かう途中の長山稲荷社にも祀られていた神様ですね。私たちが生活していく上では欠かすことのできない神様ではないでしょうか。
成願稲荷神社の御例祭は、新暦の3月初午の日に催されます。昔懐かしい旗飴が参列者に配られることでも知られます。
大神神社の境内はとても広いです。
拝殿や狭井神社以外にも見所がたくさんあります。初夏の陽気に誘われて、ぶらりと三輪山麓を散策してみませんか?