寺口忍海古墳群!葛城市の群集墳

葛城市の寺口忍海古墳群を見学しました。

180基を超す群集墳でしたが、現在は墓地造成工事によりその数を減らしています。行き方は比較的簡単で、まずは葛城山麓公園を目指すことになります。広大な敷地面積を誇る緑地公園で、桜や石楠花、ツツジ、萩など四季を通じて花が楽しめるレジャースポットです。

寺口忍海古墳群・E-2号墳

寺口忍海古墳群のE-2号墳

私が見たところ、石室の中に入ることが出来るのはE-2号墳を含め2基のみでした。開口部が確認できる古墳も幾つかありましたが、狭すぎて石室インは不可能です。

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霊苑と遊具!葛城山麓公園に散らばる円墳

寺口忍海古墳群は径10~15mの円墳で構成されています。

埋葬施設はそのほとんどが横穴式石室です。

葛城山麓公園の上手まで登り、霊苑手前の駐車場に車を停めます。道を挟んで上手が霊苑で、下手が駐車場です。駐車場側には遊具が設置されており、子供の遊び場になっていました。冒頭のE-2号墳は霊苑側にあります。石室に入れるもう1基のD-30号墳は、遊具の裏手に開口していました。

寺口忍海古墳群

傾斜のある霊苑を下ると、2基の墳丘が見えてきます。

向かって右側が寺口忍海古墳群のE-2号墳です。

寺口忍海古墳群

こちらも寺口忍海古墳群の中の1基です。

遊具のある場所からさらに下り、木々の生い茂るエリアへと入ります。所々にポツンポツンと円墳の高まりがありました。いかにも群集墳といった感じがします。その中で見つけた開口部ですが、さすがに体を入れる勇気はありません(笑)

葛城山麓公園の駐車場

葛城山麓公園の駐車場

駐車料金は無料です。下手にも駐車場がありましたが、寺口忍海古墳群見学の際はここまで上がって来るのがいいでしょう。併設のおトイレもありました。

葛城山麓公園の霊苑

霊苑の右手前にあった建物。

火葬場でしょうか。

葛城山麓公園の霊苑

霊苑の入口付近。

ここから山側へ坂道が続き、かなり上手まで霊苑が続いていました。

寺口忍海古墳群

霊苑の坂道。

行く手に古墳が見えますね。こちらは墳丘のみで、横穴式石室の開口部は見つけられませんでした。

寺口忍海古墳群

初夏に訪れたためか、墳丘の表面がグリーンに覆われています。

なんだか清々しい!風通しのいい高台に位置しており、古墳見学特有の湿気は感じられません。

葛城山麓公園の霊苑

バケツと柄杓が置かれていました。

お墓参りの必需品ですね。

葛城山麓公園の霊苑

どんどん登ります。

下界の景色が開けてきました。この墓地を造るに当たり、相当数の古墳が姿を消したのでしょう。

葛城山麓公園の霊苑

霊苑の最頂部に到達しました。

山中へ入る箇所に水が流れています。土手側にはイノシシ除けの柵も見られます。

寺口忍海古墳群の眺望

切れ込む地形。

遥か彼方、正面に見えているのは畝傍山でしょう。ちょっと首を傾げたような山容は、どこから見てもそれと分かる特徴です。

寺口忍海古墳群の景色

その背後にも連なる山々。

日本の古称である秋津島。「蜻蛉島(あきづしま)」とも書き、トンボが交尾して連なる姿を連想させます。大和を実感する絶景ポイントですね。

寺口忍海古墳群

霊苑を下ってくると、また円墳が見えてきました。

群集墳は小さくて愛らしい。橿原市の新沢千塚古墳群を訪れた時も、同じように小さな円墳が連なっていたことを思い出します。寺口忍海古墳群の出土品には、鍛冶関連の物が多いようです。被葬者は“鍛冶生産”に従事した渡来系技術集団ではないかと言われます。

寺口忍海古墳群

人は必ず死を迎えます。

いい人生、悪い人生、中くらいの人生と色々ありますが、その過程に関係なく最期を迎えます。こうして埋葬され、弔いを受ける人は古代では貴重だったかもしれません。

イノシシ除けの電気柵

イノシシ除けの電気柵ですね。

ここは大自然に囲まれた場所です。

寺口忍海古墳群の横穴式石室

E-2号墳の開口部です。

羨道部もわずかに残っています。

寺口忍海古墳群の横穴式石室

寺口忍海古墳群の中では最もポピュラーな石室でしょう。

比較的保存状態も良く、気兼ねなく見学することが出来ます。

寺口忍海古墳群の横穴式石室

開口部から中を覗くと、玄室の奥壁も見えました。

小さな石で組まれた石室ですね。

寺口忍海古墳群の横穴式石室

羨道から玄室へ入るポイント。

天井に向かって傾斜が付いています。持ち送り構造の見られる玄室です。

寺口忍海古墳群の横穴式石室

見事なバランスで維持される玄室内。

玄室の高さは3mほどあるでしょうか、埋葬空間が複数の天井石で閉じられています。

寺口忍海古墳群の横穴式石室

奥壁を背にし、開口部へ向き直ります。

わずかに光が届きます。どうやら右片袖式の横穴式石室のようです。

寺口忍海古墳群の横穴式石室

外へ出ます。

整備された霊苑内にある古墳です。古墳探索のドキドキ感こそありませんが、身近に古代を感じることのできる石室でした。

寺口忍海古墳群

寺口忍海古墳群の北方には寺口千塚古墳群があります。

さらに南方には、探索向けの山口千塚古墳群もあります。奈良県内有数の古墳密集エリアと言ってもいいでしょう。

寺口忍海古墳群

下手から見る寺口忍海古墳群のE-3号墳。

左側がそうですね。

寺口忍海古墳群・D-30号墳

こちらは寺口忍海古墳群のD-30号墳

遊具の裏手に開口していました。

D支群の西端に位置する横穴式石室です。両袖式で、巨大な花崗岩で構成されています。D-30号墳も入室可能ですが、玄室奥壁におびただしい数のカマドウマが目に入ります。今回は敢え無くスルー致しました。遊具の近くということもあり、園児たちの元気な声が聞こえてきます。そう言えば、駐車場に幼稚園バスが停まっていました。

さほどアクセスに困る古墳ではありません。気軽に寺口忍海古墳群へ出掛けてみましょう!

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