紅葉ライトアップで賑わう等彌神社。
社務所の中では、「神之森アート展」と題するイベントが開かれていました。
当館大正楼からも車で10分足らずでアクセスできる等彌神社。昨晩もマイクロバスでご来館頂いた団体客様に紅葉ライトアップのことを申し上げると、さっそく紅葉狩りに出掛けられました。
等彌神社へ向かう途中、神社の手前に「神之森」と書かれたバス停の標識を目にします。神様の鎮座する杜にふさわしい地名だなといつも思っています。
神之森アート展で見つけた天鈿女命(アメノウズメノミコト)。
天照大神の天の岩戸神話で活躍したエロチックな女神として知られます。
芸能の女神アメノウズメ!服を脱ぐ魂降り
古事記における猿田彦大神の登場の場面でも、大巨人の猿田彦(サルタヒコ)に対峙する天鈿女命が描かれています。
等彌神社の境内に祀られる猿田彦大神。
正面の鳥居をくぐって参道を進むと、程なく左側にサルタヒコが祀られています。
祠の左手前には、方角を表す羅針盤のようなものが置かれていました。
道先案内人を暗示するものなのでしょうか。サルタヒコの鼻の長さは120㎝もあったと言われています。まるで天狗のように長い鼻は、数多くの神々の中からサルタヒコを特徴づけています。猿田彦の鼻はやはり男根を象徴しているのでしょう。
猿田彦大神の登場シーンでも、天鈿女命は服を脱いでいます。
胸を露わにし、裳帯(もひも)をへその下に垂らして、からから笑いながら猿田彦大神に問い掛けている場面が出てきます。
天鈿女命が服を脱ぐ理由は、魂を新たにするための「魂振り(たまふり)」の神事であるとも言われます。
私はこの「魂振り」という言葉から、秋祭のイベントでおなじみのお神輿を連想します。ワッショイ、ワッショイとお神輿を揺すりながら練り歩くわけですが、あれも一種の魂振りです。
やはり空気が振動するのでしょうか?
神様を呼び起こすために、鈴や拍手で音を出すこともよくありますが、魂振りという動作も神様との意思疎通には必要なのかもしれません。
等彌神社の拝殿。
芸能の女神、日本最古の踊り子とも言われる天鈿女命。
天岩戸伝説の地となった天香具山も、ここ等彌神社からそう遠くは離れていません。桜井市から明日香村にかけて、神話の舞台は枚挙にいとまがありません。