子宝祈願の飛鳥坐神社。
飛鳥神奈備にお社を構え、日本最古の寺院・飛鳥寺にもほど近い立地です。
その他にも奈良県立万葉文化館、大原神社、鎌足産湯の井戸、水落遺跡などが徒歩圏内にあります。観光スポットの集まるエリアと言っていいでしょう。万葉文化館の近くには、亀形石造物や酒船石もあります。
飛鳥坐神社の陰陽石。
拝殿右奥のエリアに祀られていました。
さらに境内の奥へ歩を進めると、高さ1mの陽石「奥の大石」を見ることができます。
子種石に見る性信仰!少子化社会の問題
すべからく人の願いは五穀豊穣、子孫繁栄に尽きるのでしょう。
現代のような成熟社会では願い事も細分化しています。古代人にしてみれば、欲求丸出しの贅沢な願いに違いありません。人の生存に関わる願い事と言えば、やはり五穀豊穣と子孫繁栄です。それ以外には考えられません。
向かって右が陽石で、左が陰石です。
神社の狛犬は阿吽の呼吸でコンビを組んでいますが、右側が阿形で左が吽形ですよね。詳細は分かりかねますが、右が主体で左が客体という並びなのでしょうか。
飛鳥坐神社の神楽殿。
2月第一日曜日に行われるおんだ祭の舞台です。
多くの観客を前に、滑稽な夫婦和合の所作が披露されます。
おんだ祭の貼紙。
長引くコロナ禍で、今年も一般拝観は行われないようです。
境内には数多くの陰陽石が祀られています。
陰石よりも陽石の方が多いですね。参拝者にとってもより分かりやすいシンボルなのでしょう。
三輪山の麓にも陰陽石がありましたが、全国的には岡山県赤磐市の金勢大明神が有名ですね。露骨な陰陽石が目を引く金勢(こんせ)大明神ですが、夜尿症や子授けにご利益があります。
金勢大明神のある場所は、“上古春秋2季に未婚の男女が集まり宴をした歌垣跡”と伝わります。歌垣は今のお見合いに通じ、男女の出会いの場であったことが分かりますね。
飛鳥坐神社の猿石。
以前に吉備姫王墓(猿石)を訪れた際、男性のシンボルが山王権現に刻まれていたことを思い出します。
猿石の頭部。
他の場所から移されてきたのでしょうか、謎を呼ぶ猿石です。
紙垂と陰陽石。
参拝者が歩く道沿いに縄を張り、結界を示す紙垂が下がっていました。その向こうに多くの陰陽石が並んでいます。
少子化社会に悩む日本。
人口が減少すれば、将来の経済成長は望めません。日本のみならず、お隣の中国でさえ人口減少の兆しが見え始めています。各国が抱える少子化の問題。理由は一つではないでしょう、複雑な要因が絡み合って今の状況に陥っています。
おまんまが食べられて、代を絶やすことなく永続していく。
そんな根本的なところに立ち戻る必要があるのかもしれません。