巨木をテーマにした旅行も面白いものです。
京都の大徳寺には、推定樹齢350年のイブキの巨木が生えています。
大徳寺仏殿前のイブキ。
地上約3mに達するイブキの巨樹で、5つの幹に分枝し、各々の幹がねじれながら斜め上方に伸びています。大徳寺のイブキを眼前にすると、ただただそれだけで言い知れぬ生命力が伝わって参ります。
京都市指定天然記念物の大徳寺イブキ
大徳寺のイブキは、昭和58年6月1日に京都市指定天然記念物に指定されています。
大徳寺通沿いの総門を入って西へ向かうと、右手に勅使門と三門が見えて参ります。平康頼の墓の手前を右に曲がり勅使門、三門、仏殿、法堂と南北に続く大徳寺の伽藍を拝観します。仏殿の前を横切ると、その南東方向に巨木が生えているのが見えてきます。
添え木によって、歴史の重みに耐えています。
これぞ巨木、といった趣を感じさせます。
近鉄大和八木駅から近鉄電車に乗って、目的地の京都を目指します。
街ナカのコンビニエンスストアが駅構内にも出店を始めています。どうやら近畿日本鉄道の駅には、ファミリーマートが出店しているようですね。「エキファミ」の愛称で親しまれます。
大徳寺仏殿とイブキ。
大徳寺の現在の仏殿は、焼失後の寛文5年(1665)に再建されています。イブキの巨木も、ちょうどその頃に植栽されたものと思われます。
大徳寺仏殿。
荘厳な雰囲気が漂います。
幹の別れている様子がよく分かりますね。
イブキの前に案内板があります。以下に抜粋させて頂きます。
イブキはヒノキ科ビャクシン属の高木で、日本では本州(宮城県以南)・四国・九州に分布する。
イブキビャクシン又は、単にビャクシンと呼ばれることもある。一般に長命の木であるが、これほどの大木になることは稀であり、貴重である。
イブキの巨木といえば、春日大社の神域に鎮座する水谷神社の宿生木を思い出します。イブキと杉の共生によって成り立つ、世にも珍しい巨木です。
大徳寺の泉仙(大慈院店)で頂いた鉄鉢料理(てっぱつりょうり)。
僧が食物を受けるために用いた鉄製の丸い鉢のことを鉄鉢と言います。托鉢の僧が使っていたとされる鉄鉢ですが、その鉄鉢をかたどった器に、四季折々の味覚が盛り込まれています。
案内板にも書かれているビャクシン。
大神神社の境内でもハイビャクシンを見ることができますが、あのハイビャクシンもビャクシンの変種として知られます。
大徳寺仏殿。
歴史的建造物の意匠に目を凝らすと、職人さんの手によって実に精巧に作られていることがうかがえます。