2025年の3月以降、拝観料が2,000円になるという法隆寺。
物価高が続く今、お寺の拝観料まで値上げの動き・・・東大寺や興福寺、薬師寺なども時期の違いこそあれ、軒並み拝観料が高くなります。長引くコロナ禍の影響があるかもしれませんね。貴重な文化財を守るため、致し方無い傾向なのでしょう。
法隆寺の紅葉。
五重塔を仰ぐ西院伽藍の前に、鮮やかな朱が映えます。
法隆寺の旧字体「隆」!境内の古木は霹靂木なのか
法隆寺の南大門前にある芳庵駐車場に車を停めました。
駐車料金は200円です。受付にスタッフの姿は見当たらず、駐車料金と共に自分の車のナンバーを記し、料金箱の中に収めました。あまり無いパターンでしたが、平日の遅い時間帯だったこともあるでしょう。東院伽藍を拝観した後、境外の西里エリアを歩いていて気付きました。
法隆寺の「隆」のよく見てみると、横一本多いですよね?
隆・・・こざとへんの右側に注目です。「夂」と「生」の間に「一」が入っているではありませんか。非常に分かりにくいのですが、どうやらこの『隆』は旧字体のようです。
法隆寺夢殿。
現存最古の八角堂です。
夢殿は東院伽藍の中心的建造物で、行信僧都が聖徳太子の冥福を祈るために建立しました。東院伽藍の拝観料は西院伽藍に比べて安く、拝観当時で300円でした。天平時代の面影を残す夢殿ですが、お堂の中央厨子内には聖徳太子の等身像・救世観音像が安置されています。
東院伽藍は夢殿を中心に、絵殿、舎利殿などが回廊によって結ばれていました。
法隆寺境内の老木。
西院伽藍の外、南東方向に見事な木肌を見せるクスノキが生えています。主幹には空洞があり、添え木によって支えられた古木です。威風堂々としたその姿は、生き長らえていると言うよりも、確かに命をつないでいる雰囲気があります。
まるで年輪のようでもあります。
雷に打たれた木を「霹靂木(へきれきぼく)」と言ったりしますが、この老楠にも雷が落ちたのでしょうか。雷は「神鳴り」であり、「稲妻」でもあります。古来よりその霊性の高さをうかがわせる話が伝わるカミナリ。あながち関係が無くもなさそうです。
法隆寺の紅葉。
この日は竜田公園の紅葉を見に行きました。その帰りに立ち寄った法隆寺。
お会式が催される法隆寺聖霊院。
45歳の聖徳太子坐像を祀ります。
真っ赤に色付く木。
この辺りを散策するだけなら拝観料は不要です。その先に見えているのは法隆寺聖霊院の手水舎ですね。
なぜ法隆寺夢殿と言うのでしょうか。
聖徳太子の夢の中に仏様が現れたという話が伝わります。経典の疑義を説いた仏様・・・その有難い伝説から、夢殿という名前が付けられています。
法隆寺中門と五重塔。
中門の右後方に見えている屋根瓦は、釈迦三尊を安置する金堂です。
久しぶりの法隆寺拝観を楽しんだ一日でした。