昔の人にとって流行病は怖かったに違いありません。
医学の未発達な時代です。現代ですら、ウィルスとの戦いは ”いたちごっこ” が続く現状です。その昔、医学的に解明できない病をどのように捉えていたのでしょうか。
峠に立つ地蔵や、集落入口に掛ける勧請縄には疫病除けの意味も込められていました。
牛頭天王・素戔嗚尊は悪疫退散の神として仰がれ、今も京都八坂神社の祇園祭にその名残を残します。昔の人は疫病のことを何と言っていたのか?ちょっと気になったので調べてみました。
疫病を意味する疫癘(えきれい)『世の中心地』
流行病のことを疫癘(えきれい)と言いました。
あるいはもう少し砕けた言い方で、「世の中心地(よのなかごこち)」とも表現していました。世の中全般に広がる気分のようなもの、これはなかなか上手い言い回しではないでしょうか。
新型コロナウィルス、新型肺炎の感染拡大で大事な局面を迎えた我が国日本。
2月末から3月初めにかけての2週間が重要な時期とされました。
プロ野球のオープン戦も無観客試合として実施されるようです。自粛ムードが高まる中、どこまでの問題意識で臨むべきなのか、各々の判断が試されています。
何でもかんでも右へ倣えで、用心を重ねて自粛するのもどうかと思われます。その臨界点はどこにあるのか、なかなか判断の難しいところです。これだけ科学が発達した現代でも、新たな流行病の根絶は困難です。21世紀の今でさえこういう状況ですから、昔の人々の混乱ぶりは想像に難くありません。
とはいえ、目には見えない ”世の中のムード” にだけは流されないようにしないといけません。得体の知れない恐怖が「よのなかごこち」として人心に定着していった過去を思います。