春先に出回るホタルイカ。
ホタルイカの産地は富山県と兵庫県です。
今回入荷したのは兵庫県産のホタルイカ。大漁入荷のため、ぷっくりした富山県産に比べれば品質は劣ります。刺身でも頂けるホタルイカですが、今回は沖漬けにしてみました。
兵庫県産ホタルイカ。
一度冷凍にかけられた後のようです。
ホタルイカを生食する場合は寄生虫に要注意!冷凍処理によって死滅させることが出来ますので、必ずワンクッション置くようにしましょう。
目とクチバシ、中骨を除去!マイナス30度で旋尾線虫を退治
小さいホタルイカの処理は大変です。
口に入れた時に、硬く感じられる部位は取り除きます。
まずは目玉。深海魚のアンコウやニギスなども、目玉は硬くて食べられませんでしたよね。ピンセットや骨抜きで目玉を取り除きます。さらにゲソの真ん中にあるクチバシや、胴体裏の中骨も硬くて食べられません。このあたりはスルメイカの処理とほぼ同じです。
捌いた後のホタルイカ。
全て廃棄する部位ですね。
目玉や中骨がうず高く積み重なりました。一つ一つの作業を怠らず、根気よく捌いていきましょう。
ホタルイカの目玉。
蛍烏賊(ほたるいか)はホタルイカモドキ科に属するようです。
メスの方がオスより大きく、概ね寿命は1年とされます。体に発光器があり、青白く光る様子は富山名物にもなっています。富山で獲れるホタルイカは全てメスです。産卵のために富山湾の沿岸部に集まるようです。ホタルイカの身投げと言って、海岸線に打ち上げられる様子は圧巻です。
こちらが身の部分で、可食部です。
沖漬けにする前、ぬめりを取り除いた方がいいでしょう。砂糖をまぶし、漬け地(醤油・みりん・酒、もしくは赤ワイン)を少しだけ掛けて洗い出します。
奈良県にも富山産のホタルイカは入ってきます。
刺身用のホタルイカは少々値段が高めですので、沖漬けや酢味噌和えにするなら兵庫県産のもので十分でしょう。
茶褐色の旋尾線虫(せんびせんちゅう)ですが、ホタルイカの胃と腸に潜んでいるようです。つまり、ホタルイカの内臓にいるということです。
内臓に旨味が詰まっているだけに、“内臓無しのホタルイカ”では頂き甲斐がありません。内臓にこそ価値があるのです。旋尾線虫はホタルイカの他にも、スケトウダラやハタハタ、スルメイカなどに寄生するようです。何かこう・・・ヌルヌルとした魚介に棲み付くのかもしれませんね。
中骨を抜くとき、少々手こずりました。
胴体の下から抜き取ろうとすると、骨抜きに引っかからないことがあります。その際は、てっぺんから抜き取るのがいいでしょう。
十分に漬け込んだら一旦冷凍し、解凍後に薬味と一緒に頂きましょう。
季節の贈り物を思う存分に平らげます。思わず笑みがこぼれる瞬間ですね。
蛍烏賊の処理には少々時間が掛かります。
そのひと手間が、間違いなく料理を美味しく仕上げます。生食する場合は、冷凍処理もお忘れなく。