桜井市橋本にある泥掛地蔵。
お地蔵様に池の泥を塗り付けて祈願します。自身の患部と同じ箇所に付けるとご利益があると言います。お寺の賓頭盧尊者とよく似た願掛けですね。
青木廃寺跡に祀られる泥掛地蔵。
桜井市民でありながら、この場所を訪れたのは初めてでした。
泥掛地蔵のお参りはその道中がおすすめです。そこへ至る道中にこそ、観光の醍醐味があります。大型店舗脇の車道から、一歩足を踏み入れると異世界が広がっていました。
青木廃寺へ続くアクセスルート
明日香村、吉野方面へ続く奈良県道15号(桜井明日香吉野線)。
安部木材団地5号の交差点を過ぎ、明日香方面へ向かっていると右手に社叢があることに気付きます。以前からこの杜の中には何があるんだろう?と思っていたのですが、今回そのことが判明しました。
社叢の北側に春日神社、大小5つの池を挟んで一番南の池の畔には泥掛地蔵が佇みます。
桜井市橋本の泥掛地蔵尊。
泥を塗り付けてきたからか、摩耗が進んでいるようです。かろうじて右手に持つ錫杖のようなものが確認できます。左顎の部分だけ色が違いますね。
泥掛地蔵の前に広がる池。
お地蔵様は池の南西隅に立ち、その目と鼻の先に黒っぽい池があります。この池の泥を掬い取るのでしょうか?泥の塗り付け作業は過去の習慣で、どうやら最近は廃れているようです。不気味な雰囲気を漂わせる池で、実際にここから泥を採取するのは難しそうです。
橋本大師堂。
県道15号から大型店舗の脇を西へ入り、少し進むと左手に見えてくるお堂です。橋本大師堂から南へ上がり、民家の横を抜けて山の中へと入って行きます。
このポイントです。
ここが異世界への入口ですね。
いよいよ入って行きます。
橋本大師堂から徒歩5分足らずで、静寂に包まれた空間が広がります。
泥掛地蔵尊の道標。
しばらく行くと、道案内が付いていました。
泥掛地蔵は左へ進みます。
ところが、一瞬ためらいました(^-^; 工偏(たくみへん)に片仮名の”ヒ”と書かれているのでしょう。おそらく「右」ではないと判断しました。
迷いながらも左方向を選択します。
まぁ間違いはないでしょう。
左手に池が迫ります。
この細い道を進んで行くようです。
ここから先は異次元の世界です。まんが日本昔ばなしにでも出てきそうな原風景を楽しみながら、一歩一歩泥掛地蔵へ近づいて行きます。
両側から深い杜と池が迫り、人の行く道はわずかです。
踏み外さないように注意が必要ですね。
道理で注意喚起も出ていました。
なるべく山側を歩くようにしましょう。右へ体重を乗せながら確実に歩を進めます。
ここは特に注意が必要ですね。
地道には落葉が覆い被さり、池との境目がはっきりしません。
大きい池が南北に3つ連なっています。
池と池の間には畔のような道も付いていました。これが一番奥の池になります。
手水石でしょうか。
行く手に覆屋が見えています。おそらくあれが泥掛地蔵でしょう。
泥掛地蔵の前で手を合わせます。
お地蔵さんの南方は開けた場所になっており、偶然にも土地を所有するご夫婦らしきお二方にお会いしました。普段は稲田として利用し、奥では竹林も管理なさっているようです。
池の南東隅には案内板が見えています。
青木廃寺の案内で、少し登って行けば青木廃寺跡があると教えて頂きました。開墾された場所が青木廃寺跡かと思いましたが、さらに丘陵の上にはちょっとした印があるようです。