桧原神社の下手、井寺池の近くに新たな休憩スポットが設けられていました。
奈良県下で整備が進む「農村周遊自転車ルート」の施設のようです。山の辺の道からは少し外れますが、檜原神社から箸墓古墳へ下って行く途上に当たります。
農村周遊自転車ルートの休憩施設。
簡単な覆い屋根と石のベンチが設置されています。左手には竹林が生い茂り、爽やかな初夏の風に揺れていました。自転車観光のニーズの掘り起こしは、かねてからの懸案事項です。少しずつではありますが、着実に進んでいるようですね。
竹林の木漏れ日!休憩所横の癒しスポット
山の辺の道は徒歩で楽しむものです。
何度か踏破しましたが、自転車で通るには少し難しい場所があります。難関箇所は自転車から降り、押して歩けば問題はないのですが、周りのハイカーたちへのマナー問題もあります。やはり自転車には自転車なりのルートが必要です。
こういうのが出来ると有難いですね。
竹林に隣接した場所で、心なしかマイナスイオンのようなものも感じます。
京都嵯峨野の「竹林の散策路」を思わせます。
倒木の竹も横たわり、決して散策路として整備されているわけではありません。観光向けに整備されていない雰囲気が、かえって心地よさを刺激します。
休憩スポットの周辺地図。
農村周遊ルートが赤いラインで示されます。
現在地は井寺池の南側です。山の辺の道のウォーキングルートとは異なりますが、広く見て山裾を進むことに変わりはありません。相撲神社や珠城山古墳も自転車ルートの中に入っているようですね。
天を見上げれば、太陽光が降り注ぎます。
爽やかな風が吹き抜け、心地よく竹林を揺らします。
リズムよく節を伸ばしていく様子が手に取るように分かりますね。
暦を元に、節目節目を大切にしてきた日本人。いい時も悪い時も、その節目に注力しながら諦めずに継続する。そうるすことによって、成長の早い竹のように真っ直ぐに目的地へ向かって行けることを自ずと知っていたのかもしれません。
歴史街道の道標。
ベンチ背後の盛土は芝生に覆われていました。
農村周遊自転車ルート(Rural tour bicycle route)。
英語、中国語、韓国語でも案内されています。
農村を自転車で巡れば、都会では味わえない爽快感に包まれます。
人々の暮らしがそこにはあり、飾らない普段の生活に触れることができます。コロナ禍で外国人観光客が激減していますが、いずれはまたお迎えすることになるでしょう。言葉が適当か否か分かりませんが、外国の方は「日本の原住民に会いたがっている」と言います。そのまんまの日本人、そのまんまの原風景に出会えることが旅の醍醐味だと思います。
休憩施設の入口付近。
このまま東へ上がって行くと、元伊勢・檜原神社にアクセスします。
竹林の入口が右手に見えていますね。
この道を突き当り、少し左へ曲がってすぐ右に折れます。そのまま東へ進めば、突き当りが檜原神社です。
桧原神社を下って来ると、こんな素敵な場所がある。
井寺池の畔にある川端康成の万葉歌碑もすぐ近くです。
休憩スポットの背後に回ります。
向こう北方へ真っ直ぐ道が伸びていますが、二つの池の間を通る道です。縫うように進めば、左手に川端康成の歌碑が建っています。
休憩所を西へ下ると、桜井市街地です。
茅原の集落へと下って行く坂道ですが、一部急な傾斜ポイントもあります。自転車で下るならまだしも、急坂を逆に登るとなると、かなり大変だろうなと思います。
平坦な国土のオランダは、自転車を楽しむ人が多くいます。基本的に凹凸のある地形は自転車移動の妨げになるのですが、ここはひとつ下り優先で利用したいところですね。
心を癒す竹林。
ちょっとした地元再発見ですね。
マイクロツーリズムという言葉を最近耳にするようになりました。
近場でまだ知らない観光スポットがたくさんあるはずです。灯台下暗しを払拭するいい機会です。移動時間1時間の範囲内でも、かなり多く未踏の地を残しています。便利な世の中になった分、知らず知らずのうちに失っているものも多いことに気付きます。