3月20日過ぎに執り行われた大神神社結婚式。
結婚式後の会食会場としてご利用頂いている料理旅館大正楼。その当日の模様をご案内致します。
大正楼玄関口に飾られ牡丹桜。
普段は傘立てとして利用している大きな壺に、早咲きの牡丹桜が活けられました。向こうに見えているのは、奈良を象徴する鹿の置物です。葉っぱの緑も実に鮮やかですね。
牡丹桜は別名を八重桜、里桜とも言うようです。そう言えば、数年前に奈良県立万葉文化館の前庭で満開の里桜を観賞した記憶が蘇ります。人里で品種改良された園芸品種の桜をサトザクラと言いますが、開花時期は比較的遅めのようです。通常は普通の桜よりも開花時期が遅いとされますが、今回は結婚式に間に合わせるためか、早咲きに姿を変えて披露宴会場にご到着です。
大石フジコさんのウェルカムボード
綺麗な牡丹桜もさることながら、今回私が最も興味を覚えたのが、漫画家大石フジコさん作のウェルカムボードでした。大神神社を舞台に、新郎新婦様をお祝いするストーリーがコミカルに描かれています。
玄関口のみならず、披露宴会場の大広間にも牡丹桜がスタンバイします。
それにしても見事な枝振りですね。結婚式当日は肌寒さを感じさせる一日でしたが、牡丹桜のエネルギーに身も心も温まります。4月初旬にもなれば、大神神社儀式殿前でも桜の花が満開を迎えます。なんだか桜の花を先取りしたようで、得した気分に浸ります。
漫画家大石フジコさん作のウェルカムボード。
大神神社の社殿を背にする新郎新婦様・・・その右横に立っている吸血鬼?こそが、大石さんが生み出したキャラクターのようです。実は大石さんは新婦様のご友人のようで、実際にこの吸血鬼くんは世に出ているとのことでした。
そこで、さっそくネット検索してみたところ、ありましたありました!
大石フジコさん作「吸血児・シグマくん」の単行本です。
中学1年生のシグマくんは既に1,500年も生きている?という設定のようです(笑) このウェルカムボードを大神神社関係者の方々にも是非ご覧頂きたかったものです。
牡丹桜には、関山(かんざん)、一葉(いちよう)、普賢象(ふげんぞう)、鬱金(うこん)などの種類が知られているようですが、会場に飾られた牡丹桜の種類は果たして何だったのでしょうね。
婚礼料理の鮑の酒蒸し。
ちょうど若布の季節とも重なり、鮑の肝にさっと湯通しした若布を混ぜて、とろみ付けの吉野葛でまとめてみます。
牡丹桜の花びらを塩漬けにし、そこにお湯を注ぐと桜湯の完成です。
お茶は「濁す」をイメージさせるところから、婚礼の席では桜湯がよく使われるようです。当館も桜の花びらをデザートの材料として使うことがありますが、桜湯などもオシャレでいいですよね。
接写するときはピント合わせに苦労しますが、何とか一枚撮ることができました。
この牡丹桜も新婦様のご友人が、結婚式前日からご準備下さいました。昨今は婚礼会社を通さずに、自分たちで手作りの披露宴を楽しまれる方が増えています。
思い出に残る結婚式。
手作り感あふれるお祝いの席を、ご友人の方々の協力を仰ぎながら作り上げていく。そんなプロセスもまた、代え難い宝物になるのではないでしょうか。