旨味あふれるイサキ。
姿造り用鮮魚を市場に頼んでいたところ、丸まる太ったイサキが入荷しました。
イサキはスズキ目イサキ科の魚ですが、甘味のある白身は絶品です。英名を Chicken grunt と言うようです。grunt とは唸り声やグーグー音を出すことを意味します。釣り上げたイサキがグーグー鳴くことに由来するのでしょう。そういえば、シマイサキも浮袋で鳴きましたよね。
イサキの姿盛り。
赤くて綺麗な血合いです。鰤や鰺、ナミ貝、イクラなども盛り付けました。
鶏のトサカに似た背びれ!鶏魚(いさき)の由来
イサキの漢字表記ですが、よく知られるのは「伊佐木」でしょう。
その他にも、「鶏魚」と書くことがあります。以前からなぜだろう?と不思議に思っていたのですが、どうやらイサキの背びれが鶏冠(とさか)に似ていることに因むようです。
披露宴会場の高砂装花。
イサキの旬は初夏ですので、梅雨イサキ、麦藁イサキなどの呼び名があります。
一般的によく知られた魚です。
スーパーなどにも通年出回り、さほど旬を意識することがないかもしれません。
高取町の雛祭りイベント。
今年も土佐街道沿いの恒例行事を楽しんできました。
イサキの背びれは前後に分かれることなく、一つに繋がっています。
確かに背びれを立ててみると、どこか鶏のトサカを思わせます。尾びれは緩やかなV字型を描いていますね。
捌き方は普通の三枚おろしです。
硬い骨が特徴のイサキですが、とてもおろしやすい魚と言えるでしょう。マナガツオのように、中骨の下に包丁が入り込むこともありません。
高砂席を飾る花ですが、昨今は卓上タイプが人気です。
このままの状態で新郎新婦様を写せば、SNS映え間違いなしです。
コロナ禍で各地のイベント自粛が続きますが、細々と開催されるだけでも嬉しいですよね。
魚の世界に新型コロナウィルスは関係ないのかもしれません。
地上の人間界で需要が減れば、自ずと漁獲量も減少傾向にあるのでしょうか。獲れた魚を廃棄することのないよう、もったいない精神を維持していきたいものです。