神社参拝のマナーとして、二礼二拍手一礼はよく知られるところです。
神様にお参りする際、ある一定の作法が必要になります。鳥居をくぐって手水舎、鈴、お賽銭という一連の清めの儀式を終え、いよいよ拝礼の作法へと移ります。
石上神宮拝殿(国宝)。
二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)。
右手を下にずらす柏手(かしわで)!作法の意味
二礼二拍手一礼の手順、並びにその意味をご案内しておきます。
最初の二礼は神様への敬意と挨拶を意味します。背中を丸めず、直角に上体を深く屈めて二度礼をします。
大神神社拝殿(重要文化財)。
次に二度拍手(かしわで)を打ちます。
自分が来たことを神様に気付いて頂くための作法です。拍手を打つ際、胸の高さで両手を合わせるのですが、手のひらを合わせた状態の右手を少しずらします。どうずらすのとか申しますと、左手の第一関節辺りまで下へずらすのです。
なぜ右手を少し下にずらすのか?
その理由は、「右手は体・左手は心」と考え、体を一歩下げる気持ちで神様に対して敬いの思いを伝えるためだと言われています。単純に音を良くするためという説もありますが、やはり心を優先して体を一歩下げるという考え方の方が自然ですよね。
石上神宮の神様の使いとされる鶏。
二拍手の後は、両手の指を揃えて合掌します。
自分の氏名・住所を言い、「祓いたまい清めたまう」という唱え言葉を言います。ここまでの作法が終わってから、いよいよご利益祈願をします。願い事は具体的にはっきりとお伝えするのが良いとされます。
大神神社の茅の輪神事。
一言(いちごん)さんではありませんが、願い事は1回に1つがおすすめです。あれもこれもと欲張ってお願いするのは、お参りの作法としてはあまりオススメできません。
ご利益祈願が終わったら、最初の二礼と同じ姿勢で深く一礼します。少しの間、そのままの姿勢で心を無にします。この時に降って来るというか、願い事を叶える方法がひらめくことがあります。ひらめきは神様からのメッセージです。大切に心にしまっておきましょう。
大神神社祈祷殿。
拝礼を終えたら、右回りで体の向きを変え、神前から下がります。
二礼二拍手一礼。神社参拝の折には、是非覚えておきたい作法ですね。