もっぱら臭いと敬遠されがちなイスズミ。
浅海の岩礁域に棲息する魚で、磯臭さが気になる人も多いでしょう。さすがに私も夏場のイスズミは購入したことがありません。真冬のイスズミであれば臭味も軽減されているだろうと買ってみることにしました。
12月末に仕入れたイスズミ。
かなり大きな個体です。さらに大きいものになると、70cmにも達するようです。
長い腸を持つイスズミ!いすずみの名前の由来
スズキ目イスズミ科に分類されるイスズミ。
イスズミとは伊豆地方における呼称のようです。「イス」が石を表し、「ズミ」は棲むを意味しています。岩場、磯に多い魚という意味ですね。雑食性のイスズミは、暑い時期には甲殻類を主食とし、寒くなってくるとハバノリなどの海藻を食べているようです。
イスズミの塩焼き。
単純に塩を振って焼きました。
正直に申し上げると、やや臭味が残っています。皮も分厚く、まるでゴムを噛んでいるような食感です。柚庵地などの漬け汁に漬け込んでから焼くのがいいかもしれません。柑橘類のさわやかな香りをまとわせれば、イスズミ独特の癖も和らぐでしょう。
イスズミの長い腸。
おそらくこれが臭味の元なんでしょうね。
長い時間をかけて、この長い管の中を通っていくわけですから致し方ありません。普通に三枚おろしにしましたが、鱗は硬くて取りにくかったです。もちろんエビスダイほどではありませんが、身に深く食い込む鱗には手こずりました。
歯は小さいですね。
真ん丸い、可愛らしい目をしています。全体的に真ん丸とした体形で、歩留まりは良さそうです。
イスズミの水洗い。
食べ方に工夫が必要な魚です。臭味消しの定番である生姜やニンニクと合わせてみるのもいいでしょう。このままお鍋に放り込んだだけでは工夫が足りないような気がします。
大きさの割に値段の安い魚です。
イスズミを美味しく食べられたら、色々な面でお得ですね。イスズミの味は個体や鮮度にもよると思います。釣り上げてすぐ、漁港直送のイスズミであればお刺身でもいけるでしょう。
写真のイスズミの肛門からは排泄物が見えますね(笑)
腸が長いせいか、釣り上げられた直後にお漏らしをすることがよくあるそうです。クソタレ、クソクイなどの別名もあるイスズミ。もう少し大事に扱ってあげたいものです。