木箱に収納されていた輪島塗椀。
その内の幾つかを取り出して撮影してみました。輪島塗は伝統工芸品の中でも高い人気を誇り、外国人観光客からも注目を集めます。
輪島塗椀。
鮮やかな花の模様があしらわれています。
使用頻度が高くないため、私も久しぶりのご対面となりました。改めてその繊細な技に魅入ります。
松島図屏風にちなんだ輪島塗も素敵です。
石川県には輪島塗の他にも伝統工芸品が幾つかあります。「小京都」と呼ばれるだけに、その歴史的土壌にも興味が湧きます。
蛙の視線で見る庭!もむないの語源
当館中庭には、蛙を模った石が置かれています。
私が生まれた頃からある「蛙石」。見慣れた老齢の蛙石も、まだ現役で中庭を眺めています。
これがその蛙石。
手水石の下に陣取っています。
長い年月にわたって風雨に晒されたからか、表面がざらざらしていますね。原形をとどめていないところが、また深い味わいを生み出します。
中庭の手水石。
一昔前の厠では、用を足した後にこういう所で手をゆすいでいました。
椀の蓋には、何か文字が書かれています。
続け字は読みにくい(^-^; 何と書かれているのでしょうか。
こちらはまだ新参者の蛙石。
各地の寺社で蛙石を目にすることがあります。蛙は ”生き返る、尋ね人還る、蘇る”などに掛けて縁起物とされています。
古来、蛙は食用としても人気があったようで、アカガエル(もみ)はつとに有名ですね。
奈良県の方言かもしれませんが、マズイことを「もむない、もみない」と言います。この言葉はどうやら、「もみ(アカガエル)無い」に由来するようです。
奈良の祭事記などでよく取り上げられる吉野の国栖奏。国栖地方の人々は、蝦蟇(ガマガエル)の煮物を好んで食べていたと伝わります。小さい頃から「もむない」は普通に使っていた言葉ですが、東京暮らしの際に通じなかったことを思い出しました。