二葉松(にようまつ)をデザインした器。
土瓶蒸しの器に、縁起物の松葉文様が描かれています。お刺身のツマに、人参や大根で松葉形をあしらうことがありますが、器のデザインにも使われていました。
松葉文様の土瓶蒸し器。
松茸シーズンに使う器ですが、収納皿の整理ついでに撮影してみました。常緑の松は縁起物とされ、様々なシーンで目にする植物モチーフです。
夫婦円満の縁起物!離れない二葉松の伝統文様
古来、日本で使われてきた伝統文様。
松葉文様もその内の一つですが、二つに分かれる葉を元で繋いだ”二葉松”は夫婦円満の象徴です。たとえ落葉しても、元の部分でつながった葉はバラバラになることがありません。落ちても離れ離れにならないことから、仲睦まじい夫婦をシンボライズします。
床天井の『麻の葉繋ぎ』客室意匠
客室の床天井(とこてんじょう)に、麻の葉文様が見られます。 古来、日本の文様に使われてきた麻の葉。 六角形を基本とした幾何学模様で、大正楼館内でも客室や欄間、応接間などに見られます。実際に目にしたことはないのですが、その形は大麻の葉に似てい...
客室の「麻の葉文様」も伝統文様の一つです。
丈夫ですくすく育つ麻にちなみ、子供の成長を願ったと言います。伝統文様にもそれぞれの願いが込められていることを思います。
大正楼中庭のユキノシタ。
揚げ物にしても美味しいですが、料理に添える”飾り葉”としても重宝しています。
元でつながる二枚の葉っぱ。
真ん中に描かれているのは松笠でしょうか。
二つの二葉松を交差させているだけで「松葉散らし」とは言えないかもしれませんが、オリジナリティを感じさせます。お隣りの中国では、松竹梅のことを「歳寒の三友」と呼んでいました。厳しい冬にも緑を保つ松と竹、それに花を咲かせる梅には特別な想いを抱いていたと言います。
中庭の踏台。
多数の円を連ねた文様です。2つの円だけなら輪違い紋ですが、これは別物です。こういう遊びもまたいいですね。
たまには器のデザインに着目してみるのも一興です。
新型コロナウィルスの感染拡大により、しばらくは巣ごもり生活が続きそうです。普段は気にも留めなかった身の回りの雑事に、改めて気付きを得る毎日です。