大神神社の年末恒例行事。
「大注連縄の掛け替え」に参加して来ました。拝殿前の注連柱に渡される注連縄ですが、一年に一回新しいものと取り替えられます。今年の汚れは今年の内に、ということで心機一転新しい年を迎えられそうです。
大神神社の大注連縄。
5本の曳き綱で協力し合いながら注連縄を持ち上げます!
「標(しめ)の内」に当たる拝殿側から重たい注連縄を引っ張り上げます。12月初旬に行われる行事で、境内の黄葉も綺麗に残っていました。
曳き綱奉仕者のタスキ!子年干支絵馬の授与
以前から気になっていた大神神社拝殿前の注連縄掛け替え神事。
今年はあらかじめ大神神社に電話を入れ、日時の確認をしていました。12月8日日曜日の午前11時前後と伺っていたので、その時間帯に合わせて家を出ます。
掛け替え作業中の大注連縄。
大神神社の注連縄は向かって左側が太いようです。
注連縄の両端の太さが違う点に注目してみましょう。片方が細くなる注連縄を大根注連(だいこんじめ)、あるいは牛蒡注連(ごぼうじめ)と言うようです。大神神社の注連縄は太くてがっちりしているので「大根注連」に分類されます。
掛け替えの際も、まずは太い方から先に柱に固定されました。太い方から編み始めるようで、”気の流れ”もおそらく同じなのでしょう。
拝殿前の奉納大注連縄。
見るからに重量感がありますね。
これらの注連縄は、岸和田市の照友会の皆さんがお作りになられたものです。右手奥に立て掛けられているのは注連縄に吊るす〆の子だと思われます。
数年前の12月、狭井神社の注連縄掛け替えに参加しました。あの時に比べると、明らかに注連縄の大きさが違います。
掛け替え前の注連柱。
まだ注連縄の張られていないのっぺらぼうの状態です。この状況が見られるのもまたとない機会ですね。
大神神社の襷(たすき)。
御神紋の三本杉がデザインされています。
拝殿前に設置されたテントで、曳き綱奉仕の受付を済ませます。住所、氏名、生年月日を台帳に記入し、巫女さんからタスキを受け取りました。これを首に掛け、その時を待ちます。
やはり待ち時間は長かったですね。
拝殿内で奉納奉告祭が行われている間は、待ちぼうけを喰らうことになります。祭事が11時からということは、その30分後ぐらいからの開始と考えた方が良さそうです。
ご神職が注連縄に歩み寄り、清めの儀式を執り行います。
この後、緑色のタスキを掛けた曳き綱奉仕者たちも拝殿前に集められ、一堂にお祓いを受けます。
いよいよ大注連縄の移動です。
掛け声と共に、拝殿前から注連柱の方へと運ばれます。
移動の際も、端の太い方が先導するようです。大神神社は蛇神を祀っていますが、絡み合う注連縄を見ると蛇の姿を想像してしまいます。左右対称のシンメトリーではなく、左右非対称の陰陽を好みがちな日本人。その観点からいくと、太い方が「陽」で細い方が「陰」でしょうか。
注連柱に到着。
いつもは見上げる大注連縄ですが、視線の高さと同じですね。
リフトアップの準備が進められます。
まずは大注連縄を地面に下ろし、私たちが引く”曳き綱”を注連柱の両サイドに渡したロープに引っ掛けていきます。
合図と共に、皆で力を合わせて引っ張ります。
さすがに大勢いるとすごいですね。大して力を入れることもなく、すんなりと注連縄が引き上げられました。そこへ梯子が架けられ、注連縄上げのプロと思しき方が駆け上がりました。細いワイヤーのようなもので注連縄を固定する作業が続きます。真ん中をまず固定して、両端へと移動します。この時の順番も注連縄の太い方が先でした。
大注連縄奉納の案内板。
本日 奉納奉告祭終了後 午前11時半頃より
照友会(岸和田市)の皆さん奉製の大注連縄が境内に運び込まれ、曳き綱がかけられて声高らかに拝殿前注連柱に掲げます。
※奉納奉告祭終了後、曳き綱奉仕者の受付を致します。
慣れた手つきで作業が進みます。
この間も参拝客は綱を引き続けます。
照友会の方たちでしょうか、竹の先に丸い布を巻き付けた竿で下支えしています。阿吽の呼吸ですね。
注連縄の先の太い方を固定します。
縁の下の力持ち!みるみるうちに竹竿の本数が増えていきます。
上に登っている方はまさに職人芸ですね。この後、思いもしない光景に出会いました。あまりのことにシャッターを切り忘れたのですが、サーカスのような曲芸を見ることになります。注連柱のてっぺんは円形になっており、そこにお腹を乗せ、まるでスカイダイビングの空中姿勢のような格好で注連縄を引っ張り上げました。あんぐり(笑)ただただその様子を見守ってしまいました。
タスキを返却し、巫女さんから干支絵馬を授けて頂きます。
御神酒まで頂戴し、とても良い一日になりました。
いよいよ来年は一周廻っての子年です。東京オリンピック開催年であり、我が国にとっても意義深い一年になりそうです。日本の始まりの地とも言われる三輪山麓。そこで「常若(とこわか)の精神」を受け継ぐ掛け替え神事に参加できたことは、今後の良き糧になりそうです。