注連縄の掛け替え@狭井神社

外国人観光客が増えてきたため、大神神社に関する英語のパンフレットが必要になりました。事前に社務所に連絡して、12月15日の朝に参集殿まで取りに行かせて頂きました。

帰り際に狭井神社に立ち寄ったところ、ちょうど注連縄の掛け替え作業が行われていました。

狭井神社の注連縄

運良く注連縄の引き上げ作業に参加させて頂きました。

これはラッキーです。お正月を前に、真新しい注連縄に掛け替えられる狭井神社境内。ここは「あらたま」の祀られるエネルギーに満ちた場所です。そんな聖域で、新年準備のお手伝いができるとはまたとない体験ではないでしょうか。

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注連縄の意味

結界に張られる注連縄。

不浄なものの侵入を防ぐ意味合いを持つ注連縄ですが、注連縄の「しめ」とは「占む(しむ)」の連用形名詞である標(しめ)を表しています。

万葉集などにも、” その山に標(しめ)結ひ立てて ” などと出ています。

土地の領有を示す標(しめ)。木を立てたり縄を張ったりして場所の区画を示す標識としました。分かりやすく言うと、土地を占有・占拠したということになるでしょうか。神社の境内や宮中のことを「標の内(しめのうち)」、神社の境内から外・境外のことを「標の外(しめのほか)」と表現しました。

また、男女が別れて会えない状態にあることを標の外(しめのほか)と言ったりすることもありました。

大神神社の門松

事始めの12月13日から飾られている大神神社の大門松。

年神様の降り立つ場所がもう既に準備されています。

工事中の狭井神社

参集殿から祈祷殿の前を通り、くすり道を登って狭井神社の前に辿り着くと、狭井神社の境内は注連縄の掛け替え作業の真っ最中でした。正面の石段を登ることが出来なかったので、左側のスロープから境内へと入ります。

三輪山登山口と注連縄

三輪山登山口の前に、真新しい注連縄が置かれていました。

これから掛け替えられる、まさしく新魂(あらたま)の注連縄です。

大神神社の未絵馬

拝殿前には毎年恒例の大絵馬が登場していました。

来年の2015年度は乙羊です。くるっと丸まった角が印象的な羊が描かれています。家庭円満、世界平和、そんな言葉が頭の中に浮かびます。

注連縄のロープ掛け

注連縄を引き上げる前に、細いロープが三本掛けられました。

いよいよこれから本格的な作業開始です。

注連縄の吊るし

作業員の方々が注連縄を吊るします。

引き上げ作業の準備が整えられていきます。

注連縄の引き上げ

境内に居合わせた参拝客の皆さんと力を合わせて引き上げます。

なんだか心地いい共同作業です。作業なんて言ったら失礼に当たるのかもしれませんね(笑) 神様への共同奉仕と言う方がしっくりきます。

大神神社の注連縄は左綯えだと言います。

大神神社の大注連縄掛け替え
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注連縄の起源を辿れば、天照大神の天の岩屋戸の神話に行き着きます。天の岩屋戸から出てきたアマテラスが、再び岩屋の中に戻ってしまわないように、岩屋の入口に張り渡されたのが注連縄だったと伝えられます。天手力男神(あめのたぢからおのかみ)によって塞がれた天の岩屋戸の象徴こそが、今も全国各地の神社に見られる注連縄だったのです。

そんな神聖な注連縄を引き上げるという身に余る幸福。

狭井神社の水

狭井神社の薬井戸。

御神水の湧き出る薬井戸の神石にも、まるで鉢巻のように注連縄が張られています。

注連縄と梯子作業

梯子に登って作業が続けられます。

境内から向かって右側の部分で、少し作業が難航したようです。下で見守る人たちと声を掛け合いながら、無事に掛け替えが終了致しました。

狭井神社の注連縄

注連縄には七五三縄、尻久米縄などの表記も見られます。

尻久米縄(しりくめなは・しりくべなは)という読み方をします。

藁を左ひねりにし、三筋・五筋・七筋ずつ端を出して垂らし、紙垂をはさんだりするところから七五三縄という書き方もあるようです。

古い注連縄

注連縄の引き上げ体験の後、境内を後にして参道を歩いていると、古い注連縄のような物がブルーシートの中に入れられていました。今まで数多くの参拝客を出迎えてきた注連縄なのでしょうか。

常若(とこわか)の精神ですね。

春日大社も来年は式年造替を迎えますが、古いものから新しいものへと造り替えていく歴史は連綿と受け継がれていきます。

<狭井神社の関連情報>

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