紫陽花の季節に訪れた談山神社。
参道沿いに立つ後醍醐天皇寄進の石燈籠が、しばしの時間旅行へ誘います。
桜井市の多武峯にある談山神社は、南方の飛鳥、吉野方面へ抜ける入口に当たります。
木造十三重塔とあじさい。
南北朝時代の南朝方を象徴する後醍醐天皇。
吉野の吉水神社で後醍醐天皇の玉座を見学したことがありますが、吉野といえば後醍醐天皇なのです。吉野山麓に祀られる吉野神宮の御祭神も後醍醐天皇です。
元徳3年の刻銘をもつ重要文化財
北朝の足利尊氏と南朝の後醍醐天皇。
二つの勢力が相対した南北朝時代は57年間にも及んだと言います。
吉野へ至る道中にある談山神社。想像の域は出ませんが、後醍醐天皇もこの場所を意識していたことでしょう。
後醍醐天皇御寄進の石燈籠。
国の重要文化財に指定されているようです。
笠の部分の蕨手が欠けていますね。
完全な形ではありませんが、頑丈そうな花崗岩製の六角石燈籠です。
竿に、南北朝動乱の始まった年、元徳3年(1331)の刻銘をもつ雄大かつ装飾性豊かな造りで、天皇の御寄進と伝えられている名品。
背後にもたくさんの石燈籠が並んでいました。
火袋の下、格狭間(こうざま)にも装飾が施されていますね。
石燈籠から参道を下った場所にある石垣。
運搬の際の加工の跡でしょうか。
談山神社の本殿。
釣灯籠には社紋の上り藤がデザインされています。
鎌倉時代後期の特色が見られる寄進燈籠ですが、参道右手の木枠の中に立っています。談山神社の前身「妙楽寺」の境内にあったものと思われます。今はお土産物屋さんの前で見学可能、拝観料不要のエリアです。