伝・山の辺の道から少し西へ下って来た所に六地蔵が祀られていました。
ここは和爾坐赤坂比古神社の北西方向に当たります。
六体の地蔵菩薩が居並ぶ光景から、六道輪廻を思い起こす人も多いでしょう。お地蔵さんは地獄へ落ちた人にも救いの手を差し伸べる有難い御方です。
天理市森本町の六地蔵。
清らかなせせらぎの音のすぐ傍にお立ちになられていました。
大和路写真集にも登場!微笑ましいお迎え地蔵
六地蔵の手前には、笑みを含んだ地蔵石仏が一体祀られていました。
大和路の写真集にも掲載されたお地蔵さんのようです。
お迎え地蔵。
六地蔵の案内板のすぐ脇に、西向きに立っています。
ふくよかでほのぼのとした雰囲気の地蔵石仏ですが、かつては共同火葬場のお迎え地蔵として祀られていました。六地蔵はこの向かって右方向、少し離れた場所にお行儀よく並んでいました。
伝・山の辺の道沿いの道標。
東へ行けば古墳公園、西に下れば六地蔵と案内されています。
道標に従って西へ行くと、程なく左手に六地蔵の案内板が見えてきました。道の右側一帯には巨大な霊園が広がります。いつの間にか弔いの場へと足を踏み入れたようです。
お迎え地蔵の奥に佇む六地蔵。
錫杖や数珠を手に、それぞれが違うポーズを取っています。
六地蔵の案内板。
この地蔵は、森本寺山遺跡の中にあり、昔は森本町・蔵之庄町・中之庄町・楢町・石川町(大和郡山市)の共同火葬場のお迎え地蔵さんであったという。
のどかな田園地帯の野辺にやさしく微笑む姿は、大和路の写真集でも紹介されています。
この少し奥にある六躰の地蔵は、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)の迷界から人々を救うために六つのお地蔵さんを立てるのだといわれています。 天理市
人々の救済のために立てられる六地蔵。
桜井市高家の峠にも、六地蔵が立っていたことを思い出します。葛城古道の六地蔵石仏も印象深いですよね。お堂に安置されるわけでもなく、露天に晒されながら私たち衆生に寄り添います。
合掌する六地蔵。
一番手前、左側のお地蔵さんです。
慈悲を感じる与願印。
くっきりと半肉彫りにされています。
六地蔵の脇に散乱する石。
厨子(龕)の中に納まる仏様の姿も見られます。
思い思いの格好で穏やかな表情をなさっています。
保存状態もかなり良好ですね。
背後から居並ぶ六地蔵を撮影。
光背には波打つような凹凸が見られます。
様々な残欠石が散らばっていました。
何かが彫られているのは分かるのですが、摩耗が進んでいるのでしょう。そのお姿を確認することはできませんでした。
六地蔵の前を清水が流れていました。
音を立てながら、かなり勢いよく流れ続けます。
六地蔵から道を挟んで反対側には巨大な墓地が広がっていました。
青垣霊園。
公益財団法人天理市北部共同墓地の青垣霊園。宗派を問わないバリアフリー設計の霊園として知られます。
青垣霊園の入口。
すぐ傍には駐車場も完備されていました。
こちらはペット霊園ですね。
ペット霊園の前を通って南へ進むと、和爾坂下伝承地や和爾坐赤坂比古神社にアクセスします。
道端のお地蔵さんは見ていて心が和みます。
国道169号線の東側、天理市森本町に佇む六地蔵にお参りしてみませんか?