天理駅前広場コフフンへ行って参りました。
CoFuFun(コフフン)というネーミングが印象に残りますね。古墳の多い天理市に因んだ名前ですが、野外ステージ、子供向け遊具、さらには高齢者向け健康遊具、アンテナショップ、カフェレストラン、観光案内所と実に充実した内容でした。
天理本通り商店街の手前から、天理駅前広場コフフンに足を踏み入れます。
ここからは自転車の乗り入れが禁止されているようです。
さっそく目に飛び込んで来た未確認飛行物体!巨大なトランポリンで遊べる「ふわふわコフン」の登場です。今回は天理駅の利用客とは反対方向からのご案内となります。
高齢者にやさしい健康遊具
一番最初に出迎えてくれたのが、高齢者向けの健康遊具でした。
確実にその時を迎えつつある高齢社会。健康寿命が話題になる昨今ですが、普段からの心掛けが大切なことは言うまでもありません。ふとした空き時間に体を動かしてみる、そんな行動を後押ししてくれる様々な遊具が揃っていました。
天理駅前広場コフフンの案内板。
異様な物体が天理駅前に突如出現しています!
だだっ広い敷地内に、平板ブロックが敷かれていただけの駅前広場を知る人にとってはまさに青天の霹靂です。ここは一体どこなの?と一瞬疑ってしまうほどの変容ぶりです。
ふわふわコフンや駐車場までの距離が案内されています。
駅前広場の各所に、このような細いポールが立っています。道案内もなんだかオシャレですね。このデザインはひょっとすると、古墳の周りの竹林がイメージされているのかもしれません。
駅前広場には駐車場も完備されており、90分以内は無料となっています。
奈良県天理市は全国有数の古墳密集地帯です。
竹林で思い出すのが、先日訪れたばかりの峯塚古墳です。古墳をイメージしたコフフンではありますが、実際に天理市内の古墳を見学したことのない方も多いのではないでしょうか。これを機に探索してみるのもオススメです。峯塚古墳の他にも、物部氏の巨大横穴式石室と噂される塚穴山古墳、古代空間をそのままに残すウワナリ塚古墳など、見所に満ちた古墳が密集しています。
古墳は夢とロマンに満ちている。
この駅前広場は、そのことを改めて体現してくれているような気がします。
飛び石の上を歩くご婦人。
ふわふわコフンの東側を中心に、様々な健康遊具が並んでいました。
こちらはスロープですね。
両側には手摺りが付けられ、緩やかな勾配が見られます。
健康遊具のステップ。
普段の日常生活では、階段の上り下りと重なりますね。
ステップの解説パネル。
利用の際の注意事項が記されています。
足腰の柔軟性と筋力アップ効果が期待できます。足首や膝が大きく曲がるように意識しながら、ステップを渡って行くようです。”敢えて大きく曲げる” のがポイントですね。
収容人数200人以上の野外ステージも完備!
健康遊具から左手に回り込むと、そこには立派な野外ステージがありました。
コンサートや各種パフォーマンスで利用される野外ステージの名前は「ステージコフン」。音響設備も整っており、音楽や文化の発信源として活用することができます。
ステージコフン。
円形劇場のような造りですね。
窪地になっている所が舞台で、その頭上には円盤が乗っかっています。実はこの円盤の中に、巨大トランポリンの「ふわふわドーム」が設置されています。円盤の真下は雨が降っても濡れないでしょう。雨除けも兼用しているようです。
簡素ではありますが、シンプルイズベストを思わせます。
西側には天理駅が見えていますね。
ステージコフンを使用するためには、使用申請が必要です。使用日の6ヶ月前から7日前までの受付で、駅前広場でスタッフに使用許可申請を行います。
平成29年度は使用料無料とのことです。
設備も充実しており、電子ピアノ・PAセット・マイク等の音響設備、スクリーン・プロジェクター等の映像設備、テント25張(240×240cm)が揃っています。
もちろん、この場所でスケートボードなどの遊びは厳禁です。
音楽やダンスなどの舞台を楽しむ場所です。
演者と観客との距離も近く、お互いの交流も生まれるのではないでしょうか。
それにしても不思議な形(笑)
天理駅前広場ならではの特異性で、見る者を魅了します。
これからのゴールデンウイークの催しも盛り沢山で、コフフンオープン記念カルメラライブ、天理第九合唱団・すもーるコンサート、真美体操&ダンスフェスタ等々が予定されています。
天理駅の方へ近づいて行きます。
天理教教会本部を案内するポールですね。
天理と言えば天理教の街です。駅前広場コフフンの竣工は、”宗教都市天理” のイメージ脱却を図った一大プロジェクトだったとも言われます。中山みきの教えを仰ぐ天理教は、世界中に数多くの信者を抱えています。しかしながら、天理教の信者でない方々にとっては取っ付きにくいイメージがあったのも事実です。
天理教おぢばがえりの盛況ぶりを目の当たりにすると、どこか疎外感を感じたものです。
でも、もうそんな心配は要りません。駅前広場が老若男女が楽しめる、ちょっとしたテーマパーク状態に生まれ変わっています。移動で利用する以外は訪れることのなかった天理駅ですが、今後はコフフン目当てに人の波が出来ることでしょう。
観光案内所。
ステージコフンの西側に、観光コンシェルジュを配置した観光案内所がありました。
同じ建物内には、サイクリングによる周遊観光をサポートする「バイシクルカラー(自転車ショップ)」やカフェレストランのパークサイドキッチンも併設されています。
いいですね、このポール状の広場案内。
何より見通しが利きます。
こちらはテーブルコフン。
いわゆる休憩用のベンチです。
ゆっくり読書を楽しんだり、友人と談笑したりして時間を過ごします。
子供向け遊具の「すりばちコフン」に「ふわふわコフン」
高齢者向けの健康遊具もあれば、小さい子供向けの遊具もあります。
子育て世代には嬉しい限りですね。
天理駅近郊にお住いの方が羨ましいです。ちょっとした空き時間に、子供を連れておでかけすることもできます。
擂鉢状になった「すりばちコフン」。
木の板が張り巡らされ、中央の円に向かって吸い込まれるように滑り落ちます。もちろん、よじ登って来ることもできますのでご安心を(笑) すりばちコフンの利用は小学生のみに限定されています。間違っても大人はここで遊ばないように。周囲にはネットが張られ、我が子が遊ぶ姿を眺めることができます。
それなりの勾配がありますので、小学生未満の幼児は注意が必要ですね。
利用時間は9時から17時までのようです。
何かこう、噴火口に吸い込まれていくような錯覚を覚えます。
すりばちコフンからふわふわコフンの方を望みます。
その手前には、天然芝と人工芝を敷き詰めた芝生広場が広がっていました。
アスレチック気分が味わえますね。
それこそ、おぢばがえりの子供たちも大喜びではないでしょうか。
うん?
これは何でしょう。ボルダリング?
どこかで見たような突起物が付いています。
このような遊具を、まさか天理駅前で目にすることになろうとは思ってもみませんでした。
ブランコに興じる子供たち。
元気な声が響き渡ります。
こちらは滑り台ですね。
かなり小さいお子さんでも楽しめそうな遊具です。
そして、こちらがふわふわコフン。
真ん中のトランポリンで遊ぶ子どもを、階段に座って見守る大人・・・絵を見れば、大体の遊び方の見当が付きますね。
こんもり盛り上がった突起が「ふわふわドーム」です。
トランポリンの周りには白い砂のようなものが敷き詰められていました。
ふわふわコフンからの眺めは最高です!
おそらく駅前広場コフフンの中でも、一番高い所にあるのではないでしょうか。ちょうどこの真下がステージコフンに当たります。JR天理駅を行き交う電車もよく見えます。
ふわふわドームの上で飛び跳ねる子供たち。
このトランポリンもまた、あまり見かけない不思議な構造物です。
ふわふわコフンから出て、その下に回り込みます。
ここにも健康遊具が設置されていました。
その名も「ぶらぶらストレッチ」。背の高さに応じて、何段階かのバーが用意されているようです。
ぶら下がることによって、腕・肩・背筋のストレッチ運動になります。
手・腕・脚・腹の筋力アップにも資するようです。
0cm、30cm、60cm・・・と記されていますね。
これだけでは何をするものなのか分かりませんが、横に案内板が立っていました。
移動機能をチェックするロコモ度テストのようです。
メジャー付きの歩幅線で2ステップテストを行います。
出来るだけ大股で二歩進みます。その距離を測り、2歩幅÷身長の値が1.3未満・・・と記されていますね。1.3未満だとロコモ度1で、移動機能の低下が始まっている状態とされます。一つの目安になるかと思いますので、心当たりのある方はどうぞお試し下さい。
今度は再び、駅の方へと舞い戻ります。
すりばちコフンは、Crater Cofun と名付けられているようです。
crater は英語で「噴火口」を意味します。吸い寄せられるような錯覚を覚えたのも、あながち間違った感覚ではなかったようですね。
落ちる~!
といった感じでしょうか。これはスリリングで面白そうです。
クレーターの際に立つことも出来るんですね。
安全な遊具に設計されているものと思われますが、もし何かあったとしても親の目が全方位に行き渡ります。差し当たって心配は無いでしょう。
天理駅から降りてくると、一番最初に目にするのがテーブルコフンです。
待ち合わせスポットには最適ですね。
ユニークな椅子が目を引く南団体待合所
JR天理駅の線路下には団体待合所がありました。
ここは以前、何があった場所なのだろう?記憶の糸を手繰り寄せてみるのですが、なかなか思い出せません。絵本を配置したキッズコーナーやスタディスペース、さらには交流スペースなども見られました。
丸太の断面をイメージしたテーブル。
子供向けの小さい椅子の座面にも、丸太の断面がデザインされています。
面白い形の椅子ですね。
水玉状の円が六つ連なっています。思い思いの向きに座れそうなユニークな椅子です。
南団体待合所はワークショップ会場としても利用できるようです。
受付に係の女性がおられたので、パンフレットを手にしながらコフフンのことについて少し聞いてみました。団体待合所の隣には地域産品を展示販売する「コフフンショップ」があり、毎月第2第4日曜日には広場で「コフフンマルシェ」も催されるとのことです。
これまで天理の農と食を発信してきた天理マルシェが「コフフンマルシェ」に名称変更し、さらなるパワーアップが図られるようです。私も食に従事する身故、いつか訪れてみたいなと思いました。
観光案内所の裏手に併設されたバイシクルカラー。
米国スポーツバイクメーカー「TREK」の販売・メンテナンスショップとしてオープンしています。天理駅を拠点に、サイクリングによる周遊観光をサポートしていく試みのようです。
以前から天理駅の西側にはレンタサイクルがあり、観光客も利用していたものと思われますが、さらなる自転車利用の増加が見込まれます。山の辺の道はハイキングコースですが、自転車で踏破することも可能です。健康志向が高まる中、自転車と観光は切っても切れない相関関係にあります。
バイシクルカラーと背中合わせに設置された観光案内所。
その左手には、カフェレストランのパークサイドキッチンが併設されています。
天井から光が差し込み、スタイリッシュな自転車を照らします。
古墳の中のサイクルショップとカフェレストラン。
天理ならではのミスマッチな演出ですね。”古墳” に手厚く埋葬された観光案内所でパンフレットを手にし、あれこれと観光に想いを巡らせるひと時。”ネオ和食” をコンセプトに立ちあげられたカフェレストランで食事を楽しみながら古墳案内に目を走らせていると、あたかも自分が被葬者になったかのような(笑)
天理駅前の交番。
右手に見えているのは、ふわふわコフンです。
天理本通りのアーケード商店街。
ここから始まる天理観光。
アーケードを抜ければ、天理教教会本部に辿り着きます。神鶏が人気の石上神宮はその先にあります。さらにそこから山の辺の道を南に下れば、内山永久寺跡、夜都伎神社、長岳寺へと続きます。
私は桜井市民です。
桜井駅にも古墳モニュメントがありますが、残念ながら中に入ることはできません。アミューズメントの要素が全く無いのです。桜井市内にも数多くの古墳があります。そのことを思えば、天理市に先を越されてしまった感は否めません。これからも天理市から学ぶことは多いでしょう。
さぁ、あなたも天理駅前広場CoFuFunへお出かけしましょう!
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