杉木立に包まれる岩坂延命地蔵菩薩

桜井市内にもこんな場所が残されていたのか。

そう思わせてくれる贅沢な空間・・・奈良県桜井市の狛・岩坂地区へひとたび足を伸ばせば、昔懐かしい日本の原風景を味わうことができます。

岩坂の杉木立

下岩坂エリアの杉木立。

いや~、圧巻の光景に包まれます。森林浴とはまさしくこのことを指します。市街地からそう遠くはない場所に、こんな素敵な癒しスポットがあったとは・・・。桜井市民でありながら、灯台下暗しであった自分を恥じます。

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ユキノシタの花も咲く地蔵石仏周辺を散策

狛地区の上手にある公園まで足を伸ばし、そこから棚田風景を楽しみながら道を下ります。

程なく道が分かれており、左に曲がって上岩坂と下岩坂の分岐点を目指します。途中でヒマワリ畑の駐車場を左手に見ながら、そのまま緩やかな坂道を登って行きます。突き当りにカーブミラーの設置された丁字路が見えてきます。そこを右手に取れば、下岩坂地区へと続く道が続いています。

岩坂延命地蔵菩薩

岩坂延命地蔵菩薩。

下岩坂地区へと続く道沿いに地蔵石仏が祀られていました。

地域の人々によって大切に守られてきたお地蔵さんだと思われます。観光目的で訪れるようなお地蔵さんではありません。周囲は林立する杉に囲まれ、水を打ったような静寂に包まれていました。

ユキノシタの花

下岩坂地区の石垣に咲いていたユキノシタの花。

下の花弁二枚だけ大きいのが特徴的です。その葉っぱを見れば、山菜料理などでおなじみのユキノシタであることが分かります。初夏にこんな珍しい花を咲かせるんですね。そう言えば、当館大正楼の中庭にも開花していたことを思い出します。どうやら日の当たらない場所を好むようですね。

岩坂延命地蔵菩薩の道標

狛地区から徒歩で辿り着いた丁字路。

岩坂延命地蔵菩薩の道標が立っていました。道案内に従えば、ここを左に取れば上岩坂へアクセスできるようです。雄略天皇泊瀬朝倉宮伝承地とされる十二神社が鎮座する場所ですね。次回訪れる時には、是非お参りしてみようと思います。

岩坂延命地蔵菩薩の幟旗

丁字路から右に取ってしばらく進むと、左手に岩坂延命地蔵菩薩の奉納旗が見えてきました。

どうやらここを登って行くようです。

岩坂延命地蔵菩薩へ続く階段

細い階段が上手へと続いています。

人気(ひとけ)の感じられない、実に静かな場所です。

地蔵菩薩周囲の植物

階段を登り切って振り返ったところ。

思わず深呼吸をします。とても空気が美味しく感じられますね。

岩坂延命地蔵菩薩

五輪塔残欠と石仏が数体祀られています。

木漏れ日を受けて、お地蔵さんたちも気持ちが良さそうです。

お地蔵さん唱え言葉

お地蔵さんの唱え言葉が案内されていました。

おんかかかび さんまえい そわか (3回)

延命地蔵ぼさつ (3回)

けんぞくしゅう いっさい

心の中で唱えながら、手を合わせます。

岩坂延命地蔵菩薩

杜の精霊でも居そうな場所です。

昔とそう変わらない環境でここに祀られているのではないでしょうか。

杉木立

振り返れば、見事な杉木立!

真っ直ぐ天へと伸びる杉の木は、けれんみがなく見ていて気持ちがイイですよね。

岩坂延命地蔵菩薩

花受けなのでしょうか、皆等しく倒されていますね。

御供えする時だけ立てる慣わしなのかもしれません。

同じ延命地蔵菩薩でも、聖林寺の子安延命地蔵菩薩のように大きな仏像もあれば、岩坂延命地蔵菩薩のように小さな仏像もあります。もちろん、仏像自体に優劣などありはしません。祈りを捧げる人の気持ち次第で、何かをお返し下さるお地蔵様であってほしいと思います。

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