地元食材の三輪そうめんを使った素麺会席料理プランをご案内致します。
奈良県桜井市三輪は日本でも有数のそうめんの産地として知られます。冬の冷え込みが厳しく、そうめんの乾燥には適した場所と言われています。スタンダードな白い素麺の他にも、卵素麺、梅素麺、茶素麺などのバラエティに富んだそうめんが生産されています。
鯛そうめん。
鯛のあら炊きに三輪そうめんを合わせます。魚のアラの旨味を存分に吸い込んだそうめんを味わって頂きます。この他にも、蒸し物料理の献立に鯛の白滝蒸しなどがあります。
手延べの味に舌鼓を打つ三輪素麺
そうめんの材料は至ってシンプルです。
小麦粉に塩水を加えてこね、油を塗って撚りをかけながら細長く伸ばします。その後は天日で乾燥させるわけですが、包丁で切らずに手で伸ばすという製法です。伸ばす途中に、寝かせて熟成を待つというプロセスも経ます。乾燥後は倉庫で梅雨を越してから出荷されます。
梅雨を超すことを厄をすますと言い、時間の経過が三輪そうめんの旨味を引き出します。厄を済ますことによって素麺の油臭さが抜け、グルテンの性質が変化してコシが生まれるのです。
素麺会席料理プランでは、会席料理のラインナップの中に3品そうめん料理を織り交ぜてご提供致します。季節や入荷状況によって献立の内容は若干変わって参りますが、三輪そうめんを使ったお料理でおもてなしさせて頂きます。
大正楼客室の意匠。
その品のいい見た目から、寄せ物料理に使われることも多い三輪そうめん。
寒天やゼリー液の中に流し込めば、涼やかな養老寄せが演出されます。
手延べそうめんの切断面は決して均一ではなく、どこか不揃いなのです。
そういったところにも、機械で製造される素麺にはない味わいが感じられますよね。
そうめんは揚げ物料理にも向いています。
栗のいがに見立てたり、松葉に似せて仕上げることもできます。
大正楼玄関口の矢羽根模様。
昔の職人さんによる、丁寧な手仕事の跡がうかがえます。所々に隙間の見られる神代杉も歴史ある風情を醸しています。
素麺の歴史を辿れば、奈良時代に中国から伝わった索餅(さくべい)に行き着きます。
当時は「むぎなわ」と呼んでいたようですが、小麦を栽培する地域において農閑期の冬に作られていたと伝えられます。
真冬に頂くにゅうめんも美味しいですよね。
暑い時期の冷やしそうめんに寒い時期のにゅうめんと、季節を問わずに楽しめるところも魅力です。
大学時代の英語の授業で故郷の紹介をする時間がありました。
そうめんってどう訳すんだろう、と英語の先生にお伺いしたところ ”Japanese thin noodle” という答えが返ってきました。なるほど、細い麺なのかと納得した時のことを思い出します。
素麺会席料理プランのお申し込み受付は、ご宿泊予定日の3日前までとさせて頂きます。皆様からのご予約を心よりお待ち申し上げております。