三輪そうめんを衣に使った椎茸饅頭。
宿泊プランの素麺会席料理などでよくお出ししていた一品です。赤、黄、緑の色とりどりの三輪そうめんを身にまとった滋味あふれる肉団子。今回は結婚式の会食にておもてなしです。
三輪そうめん衣の椎茸饅頭。
素麺の他にも胡麻をまぶしています。香ばしさが加わってさらに味に深みが出ています。通常は低温の油で揚げていますが、今回はよりヘルシーに蒸してみることに致しました。
原木栽培の椎茸を使った料理
椎茸饅頭と言うからには椎茸を使っているわけですが、その材料となる椎茸は原木椎茸です。
菌床栽培のシイタケに比べ、香りが豊かで味も格段に上です。
椎茸の旬は秋と思いがちですが、意外に3月から5月にかけて出回る春物椎茸も美味しく頂けます。
カリフラワーと壬生菜を添え、生姜あんを掛けて供します。
椎茸は健康食材ですよね。
日光に当たると、ビタミンDに変わるエルゴステンが豊富に含まれる食材です。椎茸は水分に弱いため、多少の汚れは気にせずに調理することが大切です。出来れば調理する前に、1時間ほど日光に当てておくことをおすすめ致します。そうすると、不思議なことに旨味が増します。その際には、笠の裏のヒダの部分を上に向けておきましょう。乾燥椎茸が美味しい理由が何となく分かったような気になります(笑)
会場に花が届きました。
食事会当日の朝に、いつも花屋さんにお届け頂いています。フレッシュで香り高い花が結婚式の会食会場を彩ります。
火を通す前の椎茸饅頭。
椎茸の選び方・目利きでよく言われるのが、笠の開き具合ですよね。
生椎茸の場合は、やはり笠が開ききらずに巻き込んでいるものを選ぶようにしましょう。干しシイタケの香信などは笠が全開していますが、あれは干してあるから美味しいのです。
椎茸のヒダの上にタネを盛る際にも、巻き込んでいる方が作業がしやすいのではないでしょうか。
笠の裏のヒダも、白くて変色していないものを選びます。
何より肉厚のシイタケが良品とされます。太くて短い軸も良い椎茸を選ぶ際のポイントです。こんな言い方をしては椎茸に失礼ですが、短足で筋肉質のシイタケが間違いなく美味しいのです。
今回は個室で催された少人数の食事会です。
お膳に座布団という、昔ながらの純和風のスタイルで食事会が進みます。
昨今は足腰に不安を抱えたお客様も増えて参りましたので、高座椅子での食事会にも対応させて頂いております。大広間での結婚披露宴のみならず、個室での会食時にもご利用頂けます。ご希望のお客様がいらっしゃいましたら、どうぞご遠慮なくお申し付け下さい。
一口に三輪そうめんと言っても、本当に様々な種類が販売されています。
今回使ったものよりオレンジ色に近い ”人参の三輪そうめん” なども出回っています。シチュエーションに応じて使い分けてみると面白そうですね。
豚肉のローズマリー焼き。
ピリッとした味わいが特徴のわさび菜の上に、ローストしたジューシーな豚肉を盛り付けます。
ローズマリーの香りが食欲を掻き立てる逸品です。産直市場で購入した時から強烈な香りを解き放っていたローズマリー。あまりの香りの強さに、ナイロン袋を何重にもして保管しておきました(笑)
この日はお昼の金婚式・結婚式、夜の宴会・宿泊と大忙しの一日でした。
先週の週中には大学のサークル合宿がありましたが、3月~4月の季節になるとお祝い事や記念行事が重なります。別れと出会いの季節は、心ときめく思い出に残るシーズンでもあります。
椎茸は概して傷みやすい食材です。
早く使い切ることが肝要ですが、どうしても余ってしまった時は冷蔵庫で保存します。くれぐれも冷蔵庫内に置き忘れることのなように致しましょう。気付いた時には笠が黒っぽくなってべちゃっと(笑) なんてことにもなりかねません。
椎茸に含まれる食物繊維の一種・βグルカンは、癌や生活習慣病の予防にも効果を発揮するそうです。
動脈硬化や高血圧予防にもなると言いますから、旬の季節のみならず一年を通して摂取しておきたい食材ですね。
私はいつも思うのですが、料理屋がヘルシー料理をいくらPRしても、消費者である皆様がその料理を食されるのは一回限りです。普段からその食材を使って料理を作り、日常的に召し上がって頂くことが大切であることは言うまでもありません。ご家庭で作る料理は「簡単スピード料理」に尽きます。手の込んだ料理は不要なわけですが、同じ食材でも色々な変化が楽しめるということをお伝えできればと思っています。