和装小物の逸品をご案内致します。
引出物にもおすすめしたいリーズナブルな価格のがま口財布です。縁起物の柄をあしらったオシャレな財布で、贈られる側の笑顔が浮かんで参ります。古代の色目が鮮やかなパステルカラーで蘇り、高級感あふれるそのルックスに釘付けになります。
大正楼中庭に紫色のがま口財布をかざします。
縁起の良い亀甲紋地に、高貴な紫色の向蝶紋(むかいちょうもん)がお洒落にあしらわれています。
がま口財布の他にも、トートバッグやポーチ、信玄袋、ベッドスロー、テーブルランナー、プレースマット、御朱印帳、写真立てに至るまで商品化されており、どれも洗練された雰囲気を漂わせます。大神神社結婚披露宴の引出物にオススメです。
阿吽の呼吸で寄り添う亀甲地向蝶丸文
がま口財布にデザインされている向蝶紋。
向蝶の丸紋には長命と子孫繁栄の願いが込められています。
蝶紋は徳川時代にも人気があったようで、蝶を家紋とする大名は約300家を数えたと言われます。桓武平氏の揚羽蝶紋はあまりにも有名ですよね。正倉院御物の中の金銀絵箱や調度品にも見られ、奈良時代から愛されていたことをうかがわせます。
そう言えば、東大寺大仏殿の大仏様の前にも八本足の蝶が居ますよね。
蛹(さなぎ)から脱皮するその生態は、成長や出世を表す吉祥としても捉えられていたようです。
緑色のがま口財布にも、亀甲地向蝶丸文(きっこうじむかいちょうまるもん)がデザインされています。
触覚がくるっと丸まって愛嬌のある姿をしていますね。
向かい合う蝶には阿吽の意味も込められています。
神社境内にも阿吽の呼吸で狛犬が陣取っていますが、それと同じように最高のパートナー同士が向かい合います。お互いの呼吸を確かめ合うように、財布の中身を見守っています。
緑色のがま口財布は、お祝いに着るめでたい色目を使った「萌黄重(もえぎがさね)」を表します。新緑の季節を思わせる鮮やかなグリーンが、これから萌え出ずる若葉を表現しています。
がま口財布を横からチェック。
がま口とはよく言ったものですね(笑) 要するにガマガエルの口に似ていることに因みます。
そもそも蛙自体が縁起物とされます。
貸したお金が返る(カエル)、待ち人帰る(カエル)などに掛けられ、縁起物としての位置付けがあります。大神神社の摂社・率川神社境内にも蛙石がありましたよね。とにかくカエルは縁起がいいのです。
留具の丸玉。
こちらも二つの珠がぴったりと重なり合います。がま口財布の口金は、十二単の「重ね」にも通じ、固い絆を感じさせます。
大正楼客室内の意匠。
職人さんの細やかな技術が光ります。
十二単という呼称は江戸時代に一般化していったようです。当時の装束には、表地と裏地の重なりや上下の配色に「重ね」という雅な呼び名が付けられていました。はっきりと分別されるのではない、どこかぼんやりとしたボーダーラインに十二単の魅力があるようにも思われます。
こちらはピンク色のがま口財布です。
向蝶紋には雄蝶と雌蝶があしらわれていると言います。
そこには子孫繁栄や家運上昇の願いが込められます。お互いに向き合い、その周りには吉祥の亀甲紋が配されています。亀は万年と申します。長寿の象徴であり、その前にしか進まない姿から step by step の着実な歩みが連想されます。兎と亀の話はあまりにも有名ですが、最後に勝利したのは亀の方でしたよね。
ガマ口財布の中も、実に色鮮やかです。
ガマ口財布は硬貨を入れるものというイメージがありますが、札束を入れても全然問題はありません。
玄関口の虎の頭上にも載せてみました(笑)
中国伝来の四神に想いを馳せれば、虎は西の方角を守る白虎でした。亀は蛇と共に北の方角を守る玄武に相当します。昔は亀の甲羅を焼いて、そのひび割れた方向によって占いが行われていました。神の意志を伝える役目を担った亀という聖なる存在。
がま口財布の亀甲地によく目を凝らして頂ければ、その甲羅の形(六角形)が ”崩れることのない連続模様” であることが分かります。そこには永遠の繁栄が約束されています。
赤いがま口財布。
平安貴族に愛されたという樺桜(かばざくら)がデザインされています。
源氏物語の第24帖「野分」に登場する紫の上を形容した樺桜。容姿と共に、その品性においても最高級の女性を表す色合いです。
紅(くれない)の裏生地も素敵ですね。
「春の曙の霞の間より、おもしろき樺桜の咲き乱れたるを、見る心ちす」
幾歳月を超えて連綿と受け継がれてきた十二単の歴史。そのエッセンスの詰まった財布を身に付ければ、気分はもう平安貴族です(笑)
大正楼の大広間。
今春から高座椅子と座敷用宴会テーブルが利用可となりました。
今まで同様、お座敷用のお膳を使った座敷宴会スタイルも継続致しますが、高座椅子をご希望の方はご予約の際にお申し付け下さい。足の負担の少ない高座椅子で、ごゆっくりご会食をお楽しみ頂くことができます。
八重梅文の金運アップ財布
亀甲地の財布の他に、梅の花をあしらった八重梅文の生地もあります。
重ねの配色は山吹重(やまぶきがさね)で、王朝人に愛されたヤマブキがデザインされています。若葉の季節に咲く山吹を長谷寺境内で観賞したことがありますが、それはそれは鮮やかな黄色でした。
八重梅文のがま口財布。
風水などでも「西に黄色」とよく言いますよね。
財運アップの目印でもあるのですが、財布の色が黄色というだけでも何だかご利益がありそうです。
7世紀に遣唐使によって運ばれたという梅。
万葉集にも数多く詠まれた花で、萩に次いで119種もの歌が残されています。まだ寒さの残る中、早春をいち早く告げる花として今も愛され続けている花です。八重咲きの梅には、八方末広がりの縁起も重ね合わせられます。
大正楼渡り廊下の屋根裏。
杉板を配し、そこはかとなく館内に昔風情が醸されます。
こちらは藤の花でしょうか。
奈良で藤といえば、春日大社の砂ずりの藤を思い出します。
地を這うように垂れ下がる藤の花は、GW時期の呼び物として人気を博しています。春日大社で結婚式をお考えの方にもおすすめしたい逸品ですね。
それにしても、実に様々な文様があるものです。
それぞれに意味があり、これからもまた使う人によって様々な物語が紡がれていきます。ストーリー性のある、とても素敵な引出物ではないでしょうか。
結婚式シーズンの春を前に、十二単の婚礼衣裳レンタルでお世話になっている業者さんからサンプル品をお送り頂きました。
この場をお借りして深くお礼申し上げます。
十二単の生地が反映されているとはいえ、お値段は実にリーズナブルです。十二単縁起がま口財布のお問い合わせは、料理旅館大正楼の婚礼窓口にて承っております。皆様からのご質問・ご相談をお待ち申し上げております。
料理旅館大正楼 婚礼担当窓口(22時まで受付) TEL:0744-42-6003