境内北東隅の鑑真和上御廟を拝観し、南へ下って新宝蔵へと足を向けます。生憎、拝観当日は新宝蔵の休館日だったため、そのまま左手に滄海池を見ながら西へと進みます。しばらくすると、左手に唐招提寺の国宝である宝蔵と経蔵が見えて参ります。
唐招提寺宝蔵前に小さなクレーン車が停まっていました。
どうやら防災工事中のようです。
消火栓等埋設配管工事中の宝蔵前
国宝や重要文化財の建物が建ち並ぶ唐招提寺。
日本のタカラでもある歴史的建築物を守り抜くためには、日頃からの努力が必要なのでしょうね。国宝に指定される金堂、講堂、鼓楼、宝蔵・経蔵をはじめ、礼堂・東室、御影堂なども重要文化財に指定されています。
国宝の宝蔵。
宝蔵と経蔵は南北に並び建ち、北側の宝蔵の方が一回り大きい建物となっています。礼堂(らいどう)の東側に並び建つ校倉様式の宝蔵と経蔵は、8世紀奈良時代の作とされます。
新宝蔵から西へ向かうと、真正面に南北に長い礼堂・東室が見えて参ります。
工事中の柵の左側に見えている建物が宝蔵です。
唐招提寺防災工事。
木造建築物を火災から守る取り組みは、長い歴史の中で幾度も繰り返されていきます。
地中に配管の管が見えますね。
文字通り「縁の下の力持ち」と言うか、陰に隠れて日本の宝物を守り続けています。
校倉造りの建物には昔の人の知恵が感じられます。
数年前に唐招提寺を訪れた時、JR東海のテレビCMが撮影されていました。
境内にカメラが入ったり、工事用車両が入ったりと、その時々に応じて唐招提寺は様々な顔を見せてくれます。
中央の馬道(めどう)で南北に分けられる礼堂・東室。
馬道を抜けて正面に見えているのが、国宝の講堂です。
手前が経蔵で、右斜め向こう側に見えているのが宝蔵です。
唐招提寺経蔵は日本最古の校倉と言われます。
唐招提寺創建以前にあった新田部親王邸の米倉を改造した建物が、今の経蔵であると伝えられます。校倉というだけでも歴史を感じさせるのに、さらにその最古の建物を眼前にして、改めて唐招提寺の奥の深さを感じずにはいられません。